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琳派 俵屋宗達から田中一光へ

最初に飾られているのは、戦後日本を代表するグラフィック・デザイナー田中一光(1930~2002)のポスター「JAPAN」(1986)。オレンジの背景に1匹の鹿。その鹿は、俵屋宗達(桃山末~江戸初期)が描いた「平家納経」見返しの鹿図(1602)が引用されています。

江戸時代の初期、京都にて、本阿弥光悦(1558~1637)の美意識を俵屋宗達が作品化することから始まったという「琳派」。その後、18世紀の尾形光琳(1658~1716)、19世紀の酒井抱一(1761~1828)と100年ごとに発見され、継承されていきました。その琳派が、20世紀のグラフィック・デザインにまで影響を与えている―。

琳派の装飾性とデザイン性の系譜をたどる展覧会が、山種美術館で開催されています。
<会期:2018年5月12日(土)~7月8日(日)>

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琳派は構図もダイナミックです。尾形光琳「白楽天図」(18世紀)に描かれた舟は、斜め45度ほどに大きく傾き、無数の小山のような波にもまれています。海と、海に呼応するような緑の陸との対比がグラフィカル。

秋草と月、燕子花、鶴など、モチーフも継承。神坂雪佳(1866~1942)「松鶴図」(1936)には、たらしこみの技法で描かれた松の幹に寄り添うように、5羽の鶴がリズミカルに配置されています。神坂の「蓬莱山・竹梅図」(20世紀)は、中央に蓬莱山と松、右幅に竹、左幅に梅が描かれていますが、梅は下部、竹は上部が大胆にトリミングされ、独特なリズムを生んでいます。

今見ても、モダンな琳派のデザイン感覚。これからも受け継がれていきそうです。

修復後、初の展示となる伝俵屋宗達「槙楓図」(17世紀)は撮影可能です。
201801 317

展覧会のホームページはこちらから
山種美術館

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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

生誕150年 横山大観展

「東の大観、西の栖鳳」と言われるように、京都の竹内栖鳳(1864~1942)と並んで、日本画壇を代表する画家であった横山大観(1868~1958)。その生誕150年と没後60年を記念した回顧展が、東京国立近代美術館で開催されています。
<会期:2018年4月13日(金)~5月27日(日)>

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みどころのひとつは、全長約40m、日本一長い一巻ものの画巻「生々流転」(1923)の一挙公開。山間の雲から生まれた一滴のしずくが、川となり、海にそそぐ。そして最後は竜巻になって天に還るという、水の流転を描いたもの。大観の水墨技法のすべてが注ぎ込まれていると言われ、花咲く桜や葉を落とした柳などの木々によって四季が、また、家々に灯る明かりによって夜もが、一巻の中に表現されています。長い展示室の端から端まで、圧巻の展示です。

初公開の初日に関東大震災に遭いながらも作品に損傷はなく、再公開されると、震災直後にも関わらず多くの人々が押し寄せたとか。

戦時には連作「海に因む十題・山に因む十題」(1940)を制作。売上金を陸海軍に寄付し、「大観号」という軍用機が製造されたというエピソードも。

富士山をテーマにした作品も多く、「朝陽霊峯」(1927)は、明治宮殿の調度品として制作。金地に金泥を塗り重ねて描かれた富士と日輪が荘厳さを際立たせ、当時の皇国への思いがうかがわれます。

展覧会のホームページはこちらから
東京国立近代美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

プーシキン美術館展 旅するフランス絵画

神話画や宗教画の背景でしかなかった風景が、風景画として独立し、花開いていく。モスクワのプーシキン美術館が所蔵する風景画65点を通して、その軌跡をたどる展覧会が東京都美術館で開催されています。17世紀から20世紀への時間の旅、そして、近代都市パリやその郊外、光あふれる南フランスから想像の世界まで、描かれた場所をめぐる旅の両方が楽しめます。
<会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)>

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クロード・ロラン(1600代~1682)「エウロペの掠奪」(1655)に描かれているのは、白い牡牛に姿を変えたゼウスが王女エウロペを連れ去るギリシア神話の一場面。人物より、背景に広がる海や海浜の木々の方が大きく、目を引きます。

初来日が話題のモネ(1840~1926)「草上の昼食」(1866)。縦4m、横6mを超える同名の大作は分断されてしまいましたが、その最終下絵である本作が、全容を今に伝えています。後に妻となるカミーユや友人の画家たちをモデルに描かれた、楽し気な森でのピクニック。緑豊かな木々の明るい木漏れ日の美しさが、光の画家モネならでは。

光あふれる南フランスの幸福感が伝わるのが、オレンジやグリーンに白を混ぜたような明るい色彩で描かれた、ボナール(1867~1947)「夏、ダンス」(1912)。テラスから見下ろす先には、色鮮やかな木々、子供たちと戯れる妻、犬や猫も集う幸せな光景が。

想像の世界にまで旅した風景画は、アンリ・ルソー(1844~1910)「馬を襲うジャガー」(1910)。熱帯のジャングルの緑豊かな植生の中、ジャガーに襲われ、命つきようとする白い馬。まっすぐな視線を鑑賞者に向け、何かを語りかけてきます。馬がジャガーを襲っているようにも見える不思議な構図。ルソーは植物園や動物園に通い、イメージを膨らませて幻想的な世界を描きました。

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それぞれの画家たちによる、色彩と光に満ちた風景の中を歩いてみませんか。

展覧会のホームページはこちらから
東京都美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

猪熊弦一郎展 猫たち

“いちどに1ダースの猫を飼っていた”というほど猫を愛した画家、猪熊弦一郎(1902~1993)。東京美術学校では、荻須高徳(1901~1986)、小磯良平(1903~1988)と同期で学び、35歳でパリに遊学。52歳でニューヨークに魅了されてアトリエを構え、晩年にはハワイと東京を行き来しながら、生涯にわたって制作を続けました。そんな猪熊が、油彩、水彩、素描とさまざまに描いた猫の絵を集めた展覧会が、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。
<会期:2018年3月20日(火)~4月18日(水)>

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猪熊が描いた最初の猫とされるのは、モダンな短髪の妻・文子のひざに抱かれる猫(1933)。以降、文子がソファにねそべったり、ベッドに腰掛けたり、肘掛け椅子にもたれたりする側で、気ままに過ごす猫たちが多く描かれます。「愛しているものをよく絵に描く」という猪熊の言葉そのままに、妻と猫への愛情が溢れています。

猪熊は、「猫は沢山飼って見る方が其習性が解って面白く、一つ一つを特に可愛がらなくとも、猫同士で結構楽しく生活して居て、見て居ても、実に美しい」とも。「猫と食卓」(1952)には、テーブルの上の皿に群がる6匹の猫の姿が描かれます。さらには、さまざまな向きの猫たちが図形的に配置されたり、猫と人間が入り混じって構成されたり、抽象的な味わいの作品も。

「葬儀の日」(1988)は、文子の葬儀の日に描かれた作品。亡くなった妻の周りに描かれたのも、また、沢山の猫でした。

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具象も抽象も、多彩なスタイルで描き続けた猪熊の世界を、猫たちから感じてみませんか。

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展覧会のホームページはこちらから
Bunkamuraザ・ミュージアム

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光

ベラスケス(1599~1660)が宮廷画家として活躍した17世紀のスペインは、国王がかつてない規模で芸術の庇護と作品の収集を行い、絵画の栄光に満ちた黄金時代であったといいます。中でもフェリペ4世(1605~1665)は3000点を超える絵画を収集し、歴代国王のコレクションをもとにしたプラド美術館(マドリード)の所蔵する絵画の半数近くを占めています。ベラスケス作品が7点も来日し、大型絵画約60点が並ぶ話題の展覧会が、国立西洋美術館で開催されています。
<会期:2018年2月24日(土)~5月27日(日)>

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ベラスケス作品の中でも目を惹くのは、王位を継ぐことなく16歳で早逝してしまったフェリペ4世の長男を描いた「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」(1635頃)。背後に広がるマドリード郊外の美しい山並み。馬の胴体が丸々と描かれているのは、下から絵を見上げたときの迫力を考慮したからとか。

「東方三博士の礼拝」(1619)の二人の博士はベラスケスと義父、聖母は妻、イエスは生まれたばかりの娘がモデルとのこと。身近なモデルに置きかえて描くことで親しみやすい聖人像に。王宮で側に置かれていた「矮人」をデフォルメすることなくリアルに描いた「バリューカスの少年」(1635~1645)も、スペインならではの題材。

ベラスケス以外の作品も贅沢に揃い、ベラスケスが触発されたというティツィアーノ(1490~1576)やルーベンス(1577~1640)の作品も見ることができます。ティツィアーノ「音楽にくつろぐビーナス」(1550頃)は、王宮の特別の部屋に掲げられ、限られた人物のみが鑑賞したという美しい裸体画。ルーベンス「聖アンナのいる聖家族」(1630頃)は、実在の家族を描いたかのような、いきいきとした仕上がりの宗教画です。

大型絵画に囲まれることの幸せを感じさせてくれる贅沢な展覧会です。

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展覧会のホームページはこちらから
国立西洋美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

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