江戸の狩野派-優美への革新

荘厳な障壁画を思い浮かべてしまう「狩野派」ですが、墨画ややまと絵に学んだ絵画、写生画など、狩野派の障壁画以外の側面を見ることのできる展覧会「江戸の狩野派-優美への革新」が出光美術館で開催されています。
<会期:2013年11月12日~12月15日>

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室町~桃山時代の「花鳥図屏風」(狩野元信)と江戸時代の「叭々鳥・小禽図屏風」(狩野探幽)が並べて展示してありましたが、「花鳥図屏風」に比べて「叭々鳥・小禽図屏風」は、余白がいかされ、優美で瀟洒な構成であると評価されています。それが、江戸狩野の新しい絵画様式であり、革新性であるとも。しかしながら、余白の中に、長谷川等伯(1539~1610)の「松林図屏風」のような、湿潤な大気や奥行き感を感じるまでには至りませんでした。

江戸絵画というと、伊藤若冲(1716~1800)、曽我蕭白(1730-1781)の斬新な作品や、リアルさを追求した円山応挙(1733~1795)の作品が印象に残っています。彼らに比べると、江戸狩野の展示作品は、様式美に陥りすぎているようで、物足りなさを感じてしまいました。ですが、ひとくちに江戸時代といっても、1603年から265年間も続いていますので、ひとつにはくくれません。若冲、蕭白と狩野探幽(1602~1674)とは、1世紀以上のへだたりがあるのですから、美術史の潮流の中で、個性的な表現が生まれるために時間が必要だったということかもしれません。

そして、狩野派はその時代の権力と結びついて栄華を誇ってきたわけですから、幕府の権威やその象徴である城郭などがあってこそ、価値が保たれてきたようにも思います。その意味においては、まさに、「御用絵師」そのものであったといえるのではないでしょうか。

展覧会のホームページはこちらから
出光美術館


テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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