トマシェフスキ展 世界を震わす詩学

第2次世界大戦後の荒廃したポーランドに、独自のポスター文化が花開きました。街角に貼られた演劇、映画などのポスターは、市民に勇気と希望を与えたといいます。ポーランド・ポスターの草分け的存在であったヘンリク・トマシェフスキ(1914~2005)のポスター展が、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催されています。

<会期:2013年12月2日~12月25日>

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ポーランド人民共和国の共産党一党独裁政権下において、トマシェフスキのポスターは、輝くような明るい色調で自由な雰囲気を醸し出していました。しかも、当局との確執が起こることを回避する絶妙な工夫が凝らされていたのです。

ポーランド人民共和国の国章は、赤い盾の背景に白い鷲が表されていました。ポスター「7月22日開放記念日」(1960)は、共産主義国家の象徴とも読み解ける赤の色を緩和するため、ポスターの周囲に赤枠としてあしらい、白いイーグルも威圧的にならないようデザイン化されています。まるで、平和の象徴である白い鳩とも見えるほどです。

鳩といえば、「世界平和」(1965)。平和の象徴である鳩の上に、白・黄・黒・茶の色が、プラスの記号で結ばれています。4色は、世界の人種を表しているのです。

また、1981年、ヤルゼルスキ政権は、ポーランド全土に戒厳令を発令。戒厳令下では、公共の場でのVサインが禁止されました。演劇「歴史」(1983)は、手ではなく、足としか見えない部位でVサインをしているポスターです。

本展覧会のポスターにも意匠が使用されている「ヘンリク・トマシェフスキ ワルシャワ展」(1969)は、目の先に赤い色がありますが、見ている目の中にも緑の点があり、どちらがどちらを見ているのか‥。見ることも見られることも象徴しているようで、まさに、トマシェフスキの展覧会にふさわしいポスターですね。

当時の社会情勢を紐解いて、もう一度見たくなる展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
ギンザ・グラフィック・ギャラリー

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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