光のある場所―コレクションにみる近現代美術の現実感

神奈川県立近代美術館の鎌倉館は、1951年、日本初の公立近代美術館として開館し、近代の美術作品を美術史上に位置づけるうえで、重要な役割を果たしてきました。美術館の設計は、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三(1901~1969)によるもので、日本のモダニズム建築を代表する建物とされています。土地の貸借契約が2016年3月31日で切れることから、同日をもって閉館の見通しとのことですが、歴史的建造物が維持されることを願ってやみません。
同館の貴重なコレクションを、「光の現れ」に焦点をあてて紹介する展覧会が開催されています。
<会期:2013年12月14日~2014年3月23日>

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看板に使用されているのは、岸田劉生(1891~1929)の「初夏の麦畑と石垣」(1920)。光のあたった石垣の白い色と木の影によって、画面左から差し込む初夏の光が感じられます。1800年代に描かれた他の作家の作品群が、全体に茶色を帯び、外光をあまり感じないのとは対照的です。

佐伯祐三(1898~1928)の「自画像」(1923頃)は、頭部の影と顔のハイライトによって、上部からあたる強めの光が感じられ、人物に意志と力強さを与えています。吉原治良(1905~1972)の「帆柱」(1931)は、帆柱と縄、帆布が描かれていますが、大きく折りたたまれた布のうねりが光と影とで表現され、まるで抽象絵画のような味わいです。

また、木版画を、白と黒の明暗表現としてとらえれば、「光の現れ」のテーマに沿うのでしょうか。谷中安規(1897~1946)の白と黒の面で構成された「少年画集」(1932)は、祭り、運動会、水あそび、盆おどりなどを描いた連作。その幻想的な雰囲気は、幻灯を見ているかのような気持ちにさせてくれます。

明治から現代までの作品が順を追って展示されていますので、変遷をとらえるにも最適な展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
神奈川県立近代美術館


テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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