アンディ・ウォーホル展 永遠の15分

ウォーホル(1928~1987)といえば、さまざまな色使いのマリリンモンローと、正面から描かれたキャンベルスープ缶。でも、それ以外の作品を体系的に鑑賞できる機会はあまりありませんでした。「国内史上最大の回顧展」と銘打って、700点という作品と資料でウォーホルの全貌を紹介する展覧会が、森美術館で開催されています。
<会期:2014年2月1日~5月6日>

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1950年代、ウォーホルは、商業デザイナーとして広告を手がけていました。ブロッテド・ラインと呼ばれる、太いところと細いところのあるにじんだような黒の線で描かれた当時のイラストは、今見てもとてもおしゃれです。赤とピンクで彩られた靴と脚、逆立ちしている天使やケーキなど、同時代のあまたのイラストレーターに影響を与えたのではないでしょうか。

1960年代、ウォーホルが描いたのは、キャンベルスープ、マリリンモンロー、エルヴィスプレスリー、ジャクリーンケネディ、キャデラック・・と、極めてアメリカ的な題材。新生児を医師が逆さに吊るす写真や、電気椅子をモチーフとした「死と惨事」というシリーズもあります。同一のモチーフが繰り返され、連続・反復することで、実在したものなのに、どこか非現実的で乾いたイメージが感じられます。

1970~80年代になると、ヴァレンティノやミックジャガー、マイケルジャクソンといった有名人のシルクスクリーン作品を手がけるようになりますが、活動は多様化。1983年の「絶滅危惧種」は、アフリカゾウ、ジャイアントパンダ、クロサイ、オオツノヒツジ、ハクトウワシなどを描いたシリーズですが、どれも独自の存在感と迫力に満ち、見入ってしまいます。同年の「玩具の絵画」は、子どもの目線で展示されているため、大人はかがんでの鑑賞となりますが、鮮やかな配色で、オウム、犬、魚などがポップに描かれた、楽しい小品シリーズです。

ウォーホルは、「ファクトリー」と呼ばれるニューヨークのスタジオで作品を制作していました。会場には、内部が銀色に装飾された「シルバーファクトリー」(1963~68)の一部をほぼ原寸で再現したコーナーもあります。床には、ハインツトマトケチャップや洗剤ブリロのダンボール箱が置かれているように見えますが、これも現物そっくりに制作されたウォーホルの彫刻作品です。美術関係者やミュージシャン、俳優、詩人などが集っていたそうですから、自分も当時のアンダーグラウンドカルチャーの一員となった気分で見ることができます。

会場の入り口には、黒地に赤の自画像、そして、出口にも、迷彩柄をのせた自画像が展示されています。パンフレットに「入門編」とあるとおり、「ウォーホルとは?」が総覧できる展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
森美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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