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描かれたチャイナドレス 藤島武二から梅原龍三郎まで

街中を運河が通り、「東洋のヴェニス」と呼ばれた蘇州。また、租界(外国人居留地)が存在し、「東洋のパリ」とも「魔都」とも呼ばれた上海。大正期の日本では中国趣味が流行し、文学においても、芥川龍之介や谷崎潤一郎が中国をテーマとした紀行文や小説を発表しました。1930年代にはチャイナドレスを着ることもブームであったとか。鮮やかな色彩と豪華な刺繍。女性を美しく見せるチャイナドレスには、画家たちも魅了されたようです。

1910年代から40年代にかけて日本人画家によって描かれた、チャイナドレスを纏う女性像を集めたユニークな展覧会が、ブリヂストン美術館で開催されています。
<会期:2014年4月26日~7月21日>

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作品は、日本人の心の中にある中国をイメージしたという赤の壁面に展示されています。嗅煙草を楽しむ女性を描いた、藤島武二(1867~1943)「匂い」(1915)は、油彩で最も早く描かれたチャイナドレスの女性像とのことで、グリーンの背景とピンクのドレスの対比が美しく、妖艶な雰囲気。一方、藤島の「女の横顔」(1926‐27)は、イタリア・ルネサンス期の絵画に見られる真横のフォルムの女性像。その気品あるたたずまいは、今春、Bunkamuraザ・ミュージアムで展示された、ポッライウォーロの「貴婦人の肖像」(1470頃)を彷彿とさせます。

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藤島は、絵の題材としてチャイナドレスを蒐集しており、その数は60着近いとも。また、正宗得三郎(1883~1962)は、留学の際に求めたフランスの生地で作った手製のチャイナドレスを妻に着せ、モデルにしたといいます。

児島虎次郎(1881~1929)「西湖の画舫」(1921)は、華やかな屋形船で音楽や酒宴を楽しむ中国文化を描いた作品。児島は、パリのサロンで作品を発表していましたが、東洋モチーフを描いた作品を出品していたそうです。

前述の藤島も正宗も児島も、他の展示作家である梅原龍三郎(1888~1986)もヨーロッパに留学しており、日本を含む、遠く離れた東洋の美術が西洋美術に与えた影響を目にしていたはずです。それが、東洋を見直すきっかけになったのかもしれません。また、国際都市・上海や満州は、日本からヨーロッパに旅する際の足がかりとなった地でした。日中戦争に突き進んでいくことを思うと複雑な思いにもとらわれますが、当時の人々にとっては、西洋的エキゾチシズムが味わえる、もっとも近い場所が中国だったのでしょう。

描かれたチャイナドレスには、そんな思いが凝縮されているかのようで、ドレスを纏った女性像が並んでいる様は壮観です。チャイナドレスの現物も展示されており、とても華やいだ展覧会です。

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※展示会場内の画像は特別に主催者の許可を得て撮影したものです。

展覧会のホームページはこちらから
ブリヂストン美術館

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ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション

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