ディスカバー、ディスカバー・ジャパン「遠く」へ行きたい

1970年に行われた大阪万博の総来場者数は、6400万人。なんと国民の半分が出かけたことになります。万博に向けて整備された旅客網を活用するため、万博が終了した翌月の10月、日本国有鉄道は、個人旅行促進キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」を開始しました。今でこそ、女性の二人旅や一人旅は当たり前ですが、当時の旅行は団体旅行が主体。新たな旅行スタイルを提案する「ディスカバー・ジャパン」は、国鉄の古臭いイメージを刷新し注目を集めました。

このキャンペーンを、当時のポスター約100点を中心に振り返る展覧会が、東京ステーションギャラリーで開催されています。
<会期:2014年9月13日(土)~11月9日(日)>

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まず展示されているのは、同じ1970年に展開された「モーレツからビューティフルへ」という富士ゼロックスの広告。高度成長の時代であった1960年代のスローガンが、がむしゃらに突っ走る“モーレツ”だとすれば、1970年代は、本当の豊かさを追求する“ビューティフル”の時代だとするイメージ広告です。「ディスカバー・ジャパン」のテーマも、“日本を発見し、自分自身を再発見するための旅”。前を向いて突っ走るだけではなく、立ち止まって自分自身を見つめ直してみよう、というコンセプトが共通しています。プロデュースしたのは、どちらも電通の藤岡和賀夫(1927~)。

「ディスカバー・ジャパン」のポスターは、名所旧跡を説明するのではなく、若者の感性に訴え、旅心を刺激することを目的に制作されたといいます。場所を特定せず、わざとブレた写真を使用したポスターも。そして登場するのは、つけまつ毛や、当時流行したマキシやベルボトムを身に着けた、ちょっと外人風の若い女性。1970年3月3日に創刊された女性ファッション誌「an・an」も展示されていますが、まさに表紙の女性と同じイメージです。

他の女性誌とは異なり、芸能スキャンダルを掲載しない「an・an」は、その自由な発想の誌面が若い女性に支持され、旅特集も人気でした。1971年創刊の女性誌「non-no」も旅特集を掲載したため、両誌を片手に全国を旅する“アンノン族”と呼ばれる女性が急増しました。

キャンペーンは全国を対象地とし、ポスターだけでなく、記念スタンプ、ミニ周遊券、季刊誌、新聞、テレビ番組と多岐にわたっています。特に、国鉄が提供したテレビ番組「遠くへ行きたい」は、一人でも旅をすれば面白いことを伝えるユニークな番組。会場では当時の映像を見ることができます。

40年前の時代性を再発見できるかもしれません。

展覧会のホームページはこちらから
東京ステーションギャラリー

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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