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ボストン美術館 ミレー展

ミレー(1814~1875)の油彩画、パステル画など170点を収蔵し、ミレーの母国フランス以外で随一のミレーコレクションを持つボストン美術館。ミレーの生誕200年を記念して、「種をまく人」(1850)をはじめとするミレー作品が来日。農村バルビゾンで活動したコロー(1796~1875)、テオドール・ルソー(1812~1867)、そしてミレーの影響を受けたモネ(1840~1926)などの作品と合わせて、総点数64点を三菱一号館美術館で見ることができます。
<会期:2014年10月17日(金)~2015年1月12日(月)>

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フランス北西部のノルマンディ地方の裕福な農家に生まれたミレーは、パリで美術の教育を受け、26才でサロンに初入選。30代半ばでバルビゾンに移住し、畑を耕し種をまく農民の営みを描き続けました。奥深い森の情景が主体で、人物は小さく描かれたコローやルソーの作品が並ぶ中で、人物に焦点をあてたミレーの作品は目を引きます。

「種をまく人」に描かれているのは、大きく右足を踏み出し、右腕を振って種をまく、力強い農民の姿。宗教や神話を題材に理想化された人物を描くことが主流だった当時、農民を英雄のように堂々と描いたこの作品は、衝撃を与えたといいます。右手の中の白い種や、手からこぼれ落ちる種も丹念に描かれています。

「馬鈴薯植え」(1861頃)は、馬鈴薯の種いもを植える夫婦が主題。左奥の木にはロバがつながれ、傍らに置かれたかごの中で夫婦の子供が眠っています。農作業だけでなく、「洗濯女」(1855頃)には、三日月の浮かぶ黄昏時、川で洗い終えた洗濯物を肩にのせて運ぼうとする農婦の姿が。いずれも、自然によりそって生きる農民の勤勉でおだやかな日常が感じられます。

ミレーは、子どもの手をとり編み物を教える母親や、眠る子のそばで縫い物をする女性など、室内で家事に勤しむ女性たちも描きました。これらの作品は、都会で暮らす人々の郷愁を誘い、中産階級に支持されたとのこと。感情を揺さぶる強い印象はありませんが、レアリスム絵画が持つ、時代の記録性という価値を感じます。

ミレーのもっとも幼い時期の記憶は、糸を紡ぐ女たちの声だったそうですが、「糸紡ぎ、立像」(1850~55頃)では、女性が大きな糸車を使って糸を紡いでいます。頭に白いスカーフを巻いてわずかに身をかがめた女性は、なんともいえないやさしい雰囲気。ミレーがあたたかな眼差しでみつめたからなのでしょう。

ミレーの影響を受けた画家たちの作品も展示されています。黒田清輝(1866~1924)は、ルーブル美術館でミレーを模写し、バルビゾン村も訪れたそう。バルビゾン派第2世代とされるジュリアン・デュプレ(1851~1910)は、農民の生活を描きながら、印象派の影響を受けた明るい色彩を用いています。

歴史や神話ではなく、農民の地道な営みの中にも芸術の対象があることを知らしめたミレー。この秋、そのおだやかな世界観に触れてみませんか。

展覧会のホームページはこちらから
三菱一号館美術館

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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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