キャプテン・クック探検航海と「バンクス花譜集」展
16世紀初め、イギリスで見られた草木類はわずか200種類であったとか。植物を求めて世界中を探検する「プラントハンター」が活躍し、新種の植物を採集していました。現在のように季節や地域を問わず、さまざまな珍しい植物を手に入れることのできる時代とは異なり、当時の未知なる植物へのあこがれと興味は非常に強かったのです。
1768年8月26日、ジェームズ・クック(1728~79)を艦長とするエンデヴァー号が、第1回太平洋探検航海に旅立ちました。乗組員の中には、動植物の調査を目的とする科学班が含まれており、独学で植物学を学んだジョゼフ・バンクス(1743~1820)も乗船しました。この航海で収集した植物標本と画家が描いたドローイングをもとに、豪華植物図譜「バンクス花譜集」を企画した人物です。
イギリスから、タヒチ島を中心としたソサエティ・アイランズ、ニュージーランド、オーストラリア、ジャワをめぐった、3年に及ぶ航海。行く先々で目にする未知の植物は、どんなにか美しく、刺激的であったことでしょう。カメラなどない時代、植物を船に持ち帰り、専門の画家がひとつひとつスケッチし記録したのです。
3分の1以上の船員が命を落とした過酷な航海でしたが、バンクスたちは、おびただしい数の動植物の標本とそのドローイング、滞在地の民族資料などを持ち帰りました。帰国後すぐに、ドローイングをもとにした多色刷りの植物図譜の発行を企画しますが、完成したのは航海から200年後。1980年代になってようやく100部限定で「バンクス花譜集」が出版されます。全743点から厳選された120点が、Bunkamuraザ・ミュージアムで展示されています。
<会期:2014年12月23日(火)~2015年3月1日(日)>
1点1点が、葉、花のかたちや質感、葉脈、がく、茎など細部まで細密に描写されています。図鑑としての役割を果たしながら、美しい色彩で、アートとしての趣も十分です。そして、会場には植物画だけでなく、天球儀やエンデヴァー号の模型、太平洋地域の装身具や道具などの民族資料なども展示され、まるで、太平洋航海を追体験しているかのよう。未知の植物を目にしたバンクスの興奮を想像しながら、鑑賞してみてはいかがでしょう。
展覧会のホームページはこちらから
Bunkamuraザ・ミュージアム
1768年8月26日、ジェームズ・クック(1728~79)を艦長とするエンデヴァー号が、第1回太平洋探検航海に旅立ちました。乗組員の中には、動植物の調査を目的とする科学班が含まれており、独学で植物学を学んだジョゼフ・バンクス(1743~1820)も乗船しました。この航海で収集した植物標本と画家が描いたドローイングをもとに、豪華植物図譜「バンクス花譜集」を企画した人物です。

イギリスから、タヒチ島を中心としたソサエティ・アイランズ、ニュージーランド、オーストラリア、ジャワをめぐった、3年に及ぶ航海。行く先々で目にする未知の植物は、どんなにか美しく、刺激的であったことでしょう。カメラなどない時代、植物を船に持ち帰り、専門の画家がひとつひとつスケッチし記録したのです。
3分の1以上の船員が命を落とした過酷な航海でしたが、バンクスたちは、おびただしい数の動植物の標本とそのドローイング、滞在地の民族資料などを持ち帰りました。帰国後すぐに、ドローイングをもとにした多色刷りの植物図譜の発行を企画しますが、完成したのは航海から200年後。1980年代になってようやく100部限定で「バンクス花譜集」が出版されます。全743点から厳選された120点が、Bunkamuraザ・ミュージアムで展示されています。
<会期:2014年12月23日(火)~2015年3月1日(日)>

1点1点が、葉、花のかたちや質感、葉脈、がく、茎など細部まで細密に描写されています。図鑑としての役割を果たしながら、美しい色彩で、アートとしての趣も十分です。そして、会場には植物画だけでなく、天球儀やエンデヴァー号の模型、太平洋地域の装身具や道具などの民族資料なども展示され、まるで、太平洋航海を追体験しているかのよう。未知の植物を目にしたバンクスの興奮を想像しながら、鑑賞してみてはいかがでしょう。
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Bunkamuraザ・ミュージアム
テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術