英国の夢 ラファエル前派展

イギリスで、ラファエル前派というグループが結成されたのは1848年。古代や中世へ回帰しようとする彼らの作品は、生の感情を宿した女性像と、幻想的で物語性のある世界観が特長で、何よりも夢見るように美しく、見るものの心をとらえて離しません。リバプールの3つの国立美術館から選りすぐった65点が展示されたBunkamuraザ・ミュージアムで、優雅な女性美の世界に浸れます。
<会期:2015年12月22日(火)~2016年3月6日(日)>

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ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829~96)「春(林檎の花咲く頃)」(1859)は、花咲く木々の下、8人の美女たちが集っています。長くつややかな髪と、白く美しい肌。繊細な筆致で表現された、まばゆい春のひととき。ところが、寝そべった右端の女性の上には、大きな鎌が…。美しい画面の中に、人物の将来の幸福や不幸が暗示されているといいます。

ロセッティ(1828~82)「シビラ・パルミフェラ」(1865~70)も、「魂の美」の象徴として描かれた美女。左には、目隠しされたクピドと薔薇。右には、頭蓋骨とポピーが。愛と死のモチーフがいわくありげです。

アルバート・ジョゼフ・ムーア(1841~93)「夏の夜」(1890)も、美しいものだけで構成された夢幻の世界。ゴールドの布で覆われたベンチには、古代風のローブをまとった半裸の美女が4人。腰掛けて髪を結ぶ者、手を頭の後ろで組む者、身を横たえて眠る者…。1人の美女の連続的な動作を記録したのだとも。天井には花を長く編んだ飾り、テラスの向こうは夜の海。

高さ3mを超える大作が、バーン=ジョーンズ(1860~98)「スポンサ・デ・リバノ(レバノンの花嫁)」(1891)。純潔の象徴である白ユリの咲く小径を歩く花嫁。後ろには、風に煽られ渦巻く衣をまとった女性が2人。北風と南風が擬人化されているとのこと。花嫁があまり幸福そうに見えないのは、南風が吹いて幸せな日もあるが、北風が吹くつらい日もある、ということなのでしょうか。

展示作品を所蔵するのは、リバプール国立美術館。リバプールといえばビートルズですが、当時のリバプールは、造船業や工業製品の輸出で栄え、イギリス随一の港町でした。この町の企業家たちが新進気鋭のラファエロ前派作品を購入したおかげで、国立美術館のコレクションが形成されています。アートに投資するのは、大切なことですね。

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展覧会のホームページはこちらから
Bunkamuraザ・ミュージアム

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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