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深堀隆介回顧展 金魚養画場

朝顔の露、風鈴の音、そして、ひらひらと涼しげに泳ぐ金魚。日本の夏の風物詩ですね。展示されているのは、枡の中で生き生きとひれをなびかせる金魚です。本物のようにしか見えませんが、3Dプリンターならぬ3Dペインティングで描かれた作品だというから驚きです。樹脂を流し込んだ表面に金魚を描き、さらに樹脂を流し込んで続きを描くという独自の技法で、かずかずの作品を発表している深堀隆介の回顧展が西武渋谷店で開催されています。
<会期:2016年5月11日(水)~5月29日(日)>

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代表作「金魚酒」は、枡に流し込んだ樹脂が固まるまで2日間待ち、絵具で描いた後、さらに流し込んだ樹脂が固まるまで2日間待って描くことを繰り返して制作されたそう。
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会場では、はじめて金魚作品を発表した2002年から15年に渡る作品を見ることができます。金魚が描かれているのは、枡の中だけではありません。

番傘の中に描かれた「雫」(2010)。
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エミール・ガレの器の中に泳ぐ「辻菊」(2014)。
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「栄螺待ち 牡蠣待ち」(2015)は、貝の中に。
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古い木の机の引き出しの中の集団は、「方舟」(2009)。
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技法もユニークですが、器とのマッチングもユニークで、和洋を問わず独自の作品世界が広がっています。

展覧会のホームページはこちらから
西武渋谷店

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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

ポンペイの壁画展

日伊国交樹立150周年記念ということで、ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、カラヴァッジョといったイタリアの巨匠たちの作品が来日しましたが、なんと、ポンペイ遺跡の壁画までもがやってきました。ポンペイ展というと装身具や日用品などの出土品による考古学的な展示を想像しますが、今回は壁画だけを集め、絵画的価値を紹介する稀有な展示です。森アーツセンターギャラリーで開催されています。
<会期:2016年4月29日(金)~7月3日(日)>

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紀元後79年、ヴェスヴィオ山の噴火により、埋没してしまったイタリアの都市、ポンペイ。そのときの灰がシリカゲル(乾燥剤)のような役割を果たし、壁画が傷むのを防いだというから驚きです。最初の部屋に赤い建築を描いた壁画が展示されていますが、赤色は2000年前に描かれたとは思えない鮮やかさです。

このような建築画は、壁の向こうに広がる空間として、だまし絵のように描かれました。壁画には、高価な色大理石を貼った壁面を安価な材料で再現したものもあります。居住空間を広く、豪華に見せる工夫だったのでしょうか。会場では、「カルミアーノの農園別荘」の1室に描かれた3面の壁画が、部屋そのままに立体展示され、実際に当時の別荘を訪れたかのようです。

ギリシャ文化を身につけていることが教養人の証だったとのことで、ギリシャ神話を題材とした壁画も多数展示されています。別荘の壁を神話画で飾り、教養を誇りながら食事や会話を楽しんでいたのでしょう。

「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」は、発掘者がラファエロの作品になぞらえて称賛したという美しい壁画。皇帝崇拝の場に飾られていたとみなされています。

これらの壁画は、主には色土から作られた顔料で、壁に塗ったしっくいが乾ききらないうちに描かれたとか。鉛のおもりを吊るした糸をピンとはって垂直な線を描き、コンパスや曲尺も使用されたといいます。現在では、壁画の表面だけをはぎとってパネルに貼り付けることも可能になり、保存や研究が進んでいるそうです。

そのスケール感もさることながら、壁画に描かれたナツメヤシ、にんにく、たまねぎ、卵、乾燥イチジク、ぶどう酒などを見ていると、当時の食生活が想像され、古代ローマの人々の暮らしに思いを馳せることのできる展示です。

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展覧会のホームページはこちらから
森アーツセンターギャラリー

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

ルノワール展

光を吸い込んで内側から輝くような肌と、やわらかなバラ色の頬。ルノワール(1841~1919)は、自らを人物画家と自負していたといいますが、彼の描く女性像は幸福感と明るさに満ち、多くの人たちに愛されています。最大規模の印象派コレクションを誇るパリのオルセー美術館、オランジュリー美術館が所蔵する、100点を超えるルノワールの作品と資料が、国立新美術館で展示されています。
<会期:2016年4月27日(水)~8月22日(月)>

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なんといっても「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」(1876/第3回印象派展出品作品)が初来日しているのは、大きな話題のひとつです。モンマルトルの丘にある2台の風車(ムーラン)のふもとにオープンしたダンスホール。着飾った男女が広い庭につどい、ダンスや会話を楽しむ様が、いきいきと描かれています。人々の笑い声やざわめきまで聞こえてくるようです。人物にあたる木漏れ日によって、太陽や青空が描かれていなくても、よく晴れた日の屋外であることが感じられます。当時のパリ生活の特徴的な場面が描かれているため、歴史的資料としても価値ある作品とされているそうです。

そして、対の作品として楽しめる「都会のダンス」(1883)と「田舎のダンス」(1883)には、縦長の画面いっぱいにダンスを踊る1組の男女が描かれています。「都会のダンス」の女性は、豊かな光沢のあるシルクのドレスを纏い、すまして踊っていますが、「田舎のダンス」の女性は、木綿のドレスに扇子を持って、体型もふっくら。でも、輝くような笑顔から、心からダンスを楽しんでいることがわかります。「田舎のダンス」の女性は、ルノワールの妻アリーヌがモデルだとか。

また、ルノワールはモネ(1840~1926)と仲がよく、初期には連れ立って戸外制作していたといいます。「草原の坂道」(1875)に描かれるのは、まばゆい光あふれる草原の坂をおりてくる女性や子どもたち。絵の中に入って、光と緑に戯れたい気持ちがあふれてきます。「その中を散歩したいと思わせるような絵が好きだ」と語ったルノワールの言葉さながら。

他にも、初めて目にした裸体の男性像「猫と少年」(1868)は、ルノワールらしからぬミステリアスな魅力を漂わせ、最晩年に絵筆を手にくくりつけて描いたという「浴女たち」(1918-19)は、ルノワールの桃源郷であったのではないかと思わせます。多彩な作品のそれぞれの魅力を堪能できる展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
国立新美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

原田直次郎展

若し明治の油画が一の歴史をなすに足るものであるならば、原田の如きは、必ずや特筆して伝うべきタイプであるだろう―。

幕末の江戸に生まれた原田直次郎(1863~1899)がドイツ留学中に終生の友情を結んだ、森鴎外の言葉です。原田は、鴎外のドイツ3部作のひとつである小説「うたかたの記」の画学生のモデルともいわれます。高橋由一(1828~1894)に学んだ後、1884年にドイツに留学し、ミュンヘン美術アカデミーで高い技術を身につけた原田直次郎。重要文化財2点を含む作品と資料で画業を振り返る展覧会が、神奈川県立近代美術館 葉山で開催されています。
<会期:2016年4月8日(金)~5月15日(日)>

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幼い頃からフランス語を学び、兄もドイツに留学するなど、先進的な環境で育った原田。ドイツ留学中の作品を見ると、一気に実力をつけていった様子がよくわかります。重要文化財「靴屋の親爺」(1886)は、重厚で自信に満ちた作品。ドラマティックな明暗の表現で、町の靴屋というより哲学者のような趣が。「神父」(1885)は、額とあごひげに光をうけた聖職者の横顔を描き、静かでおごそかな雰囲気が漂います。

1887年帰国後の日本は、国粋主義的な風潮の中で洋画が日本画より低くみられていたといいます。「西洋画は益々奨励すべし」として、原田が1890年第3回内国勧業博覧会に出品した大作が「騎龍観音」(重要文化財)。会場では最初の展示室に、この作品のみが展示されています。

緑の龍の背にすくっと立つ観音は、白のベールと西洋のドレスのような白い衣をまとっています。龍は荒々しくはなく、やさしい表情で、戯れる犬のように感じられるほど。原田は、志半ばにして36歳で病に倒れますが、さらにどんな西洋画を描きたかったのでしょうか。死を悼んだ鴎外は、没後10年にあたる1909年に遺作展を開いたとのことです。

会場に隣接して、「コレクション展 明治の美術」が開かれており、五姓田義松(1855~1915)「老母図」(1875)も見ることができます。ふたつの展示を明治の洋画展として楽しめますね。

展覧会のホームページはこちらから
神奈川県立近代美術館 葉山

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

生誕300年記念 若冲展

江戸時代の絵師、伊藤若冲(1716~1800)がこれほどまでの人気を誇るようになったのは、2000年に京都国立博物館で開催された「没後200年 若冲展」がきっかけだと言われます。以降、さまざまな展覧会で、若冲の作品を目にするようになりましたが、生誕300年の今年、東京都美術館で開催されている「生誕300年記念 若冲展」は、決して見逃すことができません。若冲の最高傑作とも言われる「動植綵絵」全30幅が一堂に会しているのです。
<会期:2016年4月22日(金)~5月24日(火)>

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京都、錦市場の青物問屋の主人だった若冲は、40歳で弟に家督を譲り、画業に専念します。若冲という号を授けたのは、京都の名刹、相国寺の禅僧、大典顕常とされていますが、若冲はその相国寺に寄進するため、「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅を描きました。「動植綵絵」は、「釈迦三尊像」の周囲を飾るために10年をかけて制作され、身近な生き物や植物が色鮮やかに描かれています。

会場では、1Fのフロア全体を使用して、中央に「釈迦三尊像」、その左右に「動植綵絵」が15幅ずつ、楕円を描くように展示されています。縦約140cmと大きめの画面一面に描かれた生命の輝きに圧倒されます。

自宅の庭にさまざまな鶏を飼い、写生していたという若冲。「南天雄鶏図」の黒い雄鶏は力強く足を踏ん張り、増殖する南天はたわわに実をつけています。「老松白凰図」の鳳凰は、信じられないほど細密に書き込まれた装飾的な羽の造形で魅了します。目を射るような南天の赤や鳳凰の白と金には、絹地の裏からも彩色する「裏彩色」という技法が使われているそうです。鳳凰の金に見える部分は、裏から黄土色が塗られているとか。

独特の構図、細密な描写、鮮やかな色彩、その濃密さに、息を詰めて鑑賞してしまいます。作品保護のため、会期はわずか1ヶ月ですが、全30幅の競演をぜひ、目に焼きつけてください。

展覧会のホームページはこちらから
東京都美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

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