村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸

小説、エッセイ、絵本など、村上春樹(1949~)の書籍には、文章の世界観を伝える魅力的なイラストレーションが登場します。文章と画風が一体となって、何かを語りかけてくるのです。村上春樹と共作した4人のイラストレーターの原画展が、ちひろ美術館・東京で開催されています。
<会期:2016年5月25日(水)~8月7日(日)>

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村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」(1979)から続く3部作の表紙を飾ったのは佐々木マキ(1946~)。雑誌「ガロ」に掲載されていた佐々木の漫画を気に入った村上は、自ら表紙画を依頼したとか。鮮やかな色面で描かれた佐々木のイラストは、どれも意味ありげ。

倉庫街のはずれの突堤に佇む青年を描いた「風の歌を聴け」は、オレンジの夜空にブルーの海。空には土星、海には酒瓶が浮かびます。「1973年のピンボール」は、ジェイズ・バーのカウンターを挟んだ二人の男性を描き、足元には1匹のネコが。「羊をめぐる冒険」は、ホテルの前に立つ男性の影が長く伸び、ホテルの壁面に羊のかたちとなって現れます。

大橋歩(1940~)は、平凡パンチの表紙画のイメージがありますが、雑誌ananに連載された村上のエッセイ「村上ラヂオ」の挿画は、シンプルな線を生かした銅版画。どことなくほのぼのとしています。

和田誠(1936~)は、音楽をテーマとした共作が印象的です。1992年、和田は「JAZZ」と題し、ジャズ・ミュージシャンを描いた油彩画の個展を開催します。村上は、これらの絵に文章をつけてみたいと申し出、共作が実現したといいます。出版された「ポートレート・イン・ジャズ」は、ともに音楽好きの二人の感性が融合した、心地よい1冊です。

安西水丸(1942~2014)とは公私にわたり、親交が深かったそう。村上がエッセイを書き、それに合わせて安西が絵を描いた「ランゲルハンス島の午後」や、かるた仕立ての「村上かるた」は、それをよく示す作品。和田と安西はイラストレーションの共作もあり、村上も含めた3人でのコラボレーションもみられます。文章と画という違いはあっても、都会的で洗練された空気感は3人に共通のもの。同じ感性の中で自由に表現した、彼らの息づかいが伝わってくるようです。

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安西水丸展

展覧会のホームページはこちらから
ちひろ美術館・東京

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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