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草間彌生 わが永遠の魂

「世界で最も影響力のある100人」(2016年・米タイム誌)に日本人で唯一選ばれた草間彌生(1929~)は、日本が誇る不世出のアーティストといってもよいでしょう。1957年に渡米し、作品だけでなく、「ハプニング」と呼ばれるパフォーマンスでも話題に。帰国後も、ロンドンのテート・モダンやパリのポンピドゥ・センターでの個展を成功させ、2012年のルイ・ヴィトンとのコラボレーションでは、ニューヨーク5番街にあるルイ・ヴィトンビルのショーウィンドウにものすごい人垣ができたそうです。

そんな草間の初期作品から最新作までが、国立新美術館に集結しています。
<会期:2017年2月22日(水)~5月22日(月)>

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巨大な空間に足を踏み入れると、壁が色とりどりの大作絵画で埋め尽くされています。草間が2009年より描き続けている「わが永遠の魂」と題する連作です。

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1辺が2m近い正方形のカンヴァスには、眼や横顔といったモチーフや、うねる線、さまざまなかたちの色面が描かれ、色鮮やかにメッセージを伝えます。単色を下塗りしたカンヴァスに、アクリル絵具で下書きなしで描いていくのだとか。作品数は500点に及び、本展では約130点が日本初公開となっています。イメージされているのは、宇宙、生と死、そして愛など。少女時代から幻覚や幻聴に悩まされていたといいますから、鮮やかな色合いで表現されてはいるものの、すべてがHAPPYなメッセージではないのかもしれません。ですが、圧倒的な存在感で迫る作品群が、心を満たし、リセットし、何か新しい力を与えてくれるように感じられます。

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1950年代の暗い色合いの油彩は、絶望感が漂うよう。ニューヨーク時代に生まれた、突起物を貼り付けた椅子や梯子は、なぞの生命体を思わせます。そして、「死の海を行く」(1981)と題された、突起物に覆われたボート。「最後の晩餐」(1981)は、赤、緑、黒などを地にした水玉の布の突起物で作られたテーブルと椅子のセット。テーブルの上には、ポットや果物かごが置かれています。展示のラストは、草間の代名詞ともなった「かぼちゃ」(1999)です。

「芸術と制作に命がけで戦っている」という草間は、「死ぬまで戦い続けたい」とも。創造の意欲と芸術への希望に溢れた草間の魂に、心地よく圧倒されます。

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展覧会のホームページはこちらから
国立新美術館

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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

ティツィアーノとヴェネツィア派展

ルネサンス期のイタリアにおいて、素描を重視したラファエロ(1483~1520)、ミケランジェロ(1475~1564)などフィレンツェの画家たちに対し、ティツィアーノ(1488/90~1576)を筆頭としたヴェネツィアの画家たちは、色を重視したといわれます。水の都ヴェネツィアで描かれた、豊かな色彩と光の表現にあふれた作品群を、東京都美術館で見ることができます。
<会期:2017年1月21日(土)~4月2日(日)>

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海に囲まれたヴェネツィアは湿度が高いため、早く乾くテンペラ画が主流でしたが、ぼかしや重ね塗りには向きませんでした。カンヴァスに油絵具で描くスタイルを取り入れたことで、光と色彩の表現を進化させることができたのだとか。輝くような色彩の表現は、女性像にも生かされています。ルノワールが敬愛したというティツィアーノの初期の代表作「フローラ」(1515頃)はどうでしょう。

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輝く金髪と白くふくよかな肌。右手にバラやジャスミンの花を持っていることから、花の女神フローラとされています。薬指に指輪をはめていることから、花嫁とも。バラ色のマントを纏い、白の肌着で片方の胸は覆われているものの、片胸はあらわ。貞淑さと奔放さが入り混じっているようにも感じられますね。

50代のティツィアーノが描いた「ダナエ」(1544-46)も肌の美しさが際立つ作品。裸で横たわる女性がうっとりとみつめているのは、黄金の雨。幽閉された王女ダナエの美しさに惹かれた神々の王ユピテルが、黄金の雨に姿を変えて彼女に降り注ぎ、交わっているのだそう。黄金の雨には金貨も混じっており、まるで、その代償として金貨を与えているようにも見えます。

ティツィアーノのパトロンたちは、より美しく官能的な絵画を彼に要望したといいますから、神話を利用して、それに応えたものだったのでしょう。クラーナハの描く裸婦もアクセサリーを身につけていましたが、ダナエもイヤリング、指輪、ブレスレットをしています。

ユピテルは白鳥にも姿を変え、王妃レダを誘惑します。その場面を描いたのが、ティツィアーノより次世代のティントレット(1519~94)の「レダと白鳥」(1551-55)。レダを画面の対角線上に描く大胆な構図と、背景の布の質感が見事です。誘惑されているというより、白鳥を愛玩しているようなレダも新鮮。

昨年、国立新美術館で開かれた「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」に続いて、ヴェネツィア派が堪能できます。

こちらの記事もぜひ
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち

展覧会のホームページはこちらから
東京都美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

オルセーのナビ派展

19世紀末のパリ。ヘブライ語で預言者を意味する「ナビ派」と称した、若き芸術家のグループがありました。新しい絵画を模索した、ボナール(1867~1947)、ドニ(1870~1943)、ヴュイヤール(1868~1940)などの画家たちです。オルセー美術館のナビ派コレクションから約80点を集め、ナビ派の芸術を日本で初めて本格的に紹介する展覧会が、三菱一号館美術館で開かれています。
<会期:2017年2月4日(土)~5月21日(日)>

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折りしもジャポニスムの時代。「日本かぶれのナビ」と呼ばれたのがボナールです。「庭の女性たち」(1890~91)は、掛軸を思わせる、縦長の細長い画面に描かれた4枚の連作。屏風として制作されたといいます。引き伸ばされたしなやかな肢体の女性たちが、庭で思い思いに過ごしています。赤に白の水玉のワンピースの女性は犬と戯れ、やわらかなピンクの服の女性は猫と座る。パープルのケープの女性は紅葉の中に佇み、格子柄の服の女性は白の帽子をかぶって。それぞれの色調が美しく、服の模様と背景の植物模様がマッチして、なんとも華やかで装飾的。平面的な画面は、浮世絵の影響を受けているとか。

同じく、縦型の大型の連作で目を奪われてしまうのが、ヴュイヤール「公園」(1894)。とある私邸の応接間兼食堂の装飾画として制作された9枚1組の作品で、オルセー美術館が所蔵する5枚を見ることができます。横に並べるとパノラマ写真のように連続した画面には、公園の中の日常の情景が描かれています。今にも駆け出しそうな子どもたち。子どもの問いかけを腰をかがめて聞く母親。腰掛けて語らう3人の女性。赤の日傘をさして一休みする女性。あたたかで親密な情景ながら、地をはうような影の描写に不穏な雰囲気も。マットな質感は膠を使用して描かれているからだそうです。

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ドニの「ミューズたち」(1893)には、木々の間に集う女神たちが描かれていますが、同時代の衣服をまとい、現代女性の姿をしています。神秘的な色調で表現された、目に見えない世界。

親密な日常性、室内で楽しみたい装飾性、目に見えない精神や祈りをも描こうとした神秘性。一筋縄ではいかないナビ派芸術に触れることのできるチャンスです。
※写真は、主催者の許可を得て撮影しています。

こちらの記事もぜひ
ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展

展覧会のホームページはこちらから
三菱一号館美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

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