これぞ暁斎!世界が認めたその画力

伊藤若冲(1716~1800)、曾我蕭白(1730~1781)など江戸時代の絵師が注目されていますが、幕末から明治に活躍した河鍋暁斎(1831~1889)の経歴はユニーク。6歳から2年ほど歌川国芳(1798~1861)のもとで浮世絵を学び、その後、狩野派に師事して伝統的な日本画を学びます。通常は何十年もかかる修業を19歳で終え、さらにあらゆる流派を研究。仏画から戯画までさまざまな画題を、さまざまな技法で描き上げ、ひとりの絵師の作品とは思えないほど多彩です。画鬼とも呼ばれた暁斎の画力を、Bunkamuraザ・ミュージアムで体感することができます。
<会期:2017年2月23日(木)~4月16日(日)>

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第1章が「鴉」だけでまとめられていたことも驚きです。明治14年(1881)に「枯木寒鴉図」が第二回内国勧業博覧会で妙技二等賞牌を得、100円という高額で買い上げられたとか。以降、暁斎は多数の鴉図を描き、鴉は暁斎のシンボルとなったそうです。枯木に、柿の枝に、梅に、柳に、と描きまくっています。

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擬人化された動物やかぼちゃなど、あらゆるものに生命を吹き込むユーモラスな魅力も見逃せません。リアルな象や虎なども展示されていますが、「動物の曲芸」(1871~89)では、綱渡りをするコウモリや、ブランコにのるモグラをはじめ、猫もネズミも曲芸を披露しています。「家保千家の戯 天王祭/ろくろ首」(1864)は、かぼちゃたちが花を神輿に見立てて担ぎ、つるから伸びた実がろくろ首に。

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メインビジュアルになっている「地獄太夫と一休」(1871~89)も逸品です。地獄模様の打ちかけをまとった遊女は、自分は地獄にいくしかないと思っていたとか。遊女の横には、三味線をひく骸骨と、その頭に乗って踊る一休。足元の骸骨も踊り狂っています。地獄太夫は一休によって悟りを得たといいますから、踊る一休や骸骨は「死は怖くない」と、陽気にメッセージを送っているのかも。

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他にも、妻の亡骸の写生から制作しただけあって、ゾクリとするリアリティがある「幽霊図」(1868~70)や、丹念に仕上げられた「龍頭観音」(1886)など、本当に多彩な作品がそろっています。

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展示作品はすべて、ロンドンの画商、イスラエル・ゴールドマン氏のコレクション。伊藤若冲のコレクションで知られるジョー・プライス氏のような存在ですね。国内ではなかなか出会えない作品を堪能できるチャンスです。

※写真は主催者の許可を得て撮影しています。

展覧会のホームページはこちらから
Bunkamuraザ・ミュージアム

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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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