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メアリー・カサット展

アメリカ、ペンシルヴァ二ア州の銀行家の家に生まれたメアリー・カサット(1844~1926)は、パリで絵の勉強をしたいと父親に告げたとき、「お前が死ぬのを見るほうがましだ」と言われたといいます。反対を押しきり21歳で渡仏したものの、国立美術学校は女性を受け入れておらず、ルーブル美術館で模写をして勉強する日々であったとか。先進的であったと思われる欧米においても、女性が画家になることには偏見のある時代だったのですね。

パリでカサットの才能を認めたのは、カサット自身もあこがれていたエドガー・ドガ(1834~1917)でした。カサットはドガの誘いを受け、印象派展に出品するようになります。女性の職業画家が少なかった時代に、困難を乗り越えて画家となったカサット。その回顧展が、横浜美術館で開催されています。
<会期:2016年6月25日(土)~9月11日(日)>

201601 673

ドガやルノワール(1841~1919)など印象派の画家たちが好んだ主題である「劇場の桟敷席」をカサットも描いています。カサットの「桟敷席にて」(1878)が、男性画家が描いた作品と異なるのは、観劇をする女性の華やかで官能的な美しさを描いたのではなく、鑑賞に集中する女性の知的な美しさを描いたこと。女性が着ているのは、肌をだしたドレスではなく、きっちりと肌を覆った黒のドレス。遠くの客席から女性を見ている男性がいますが、オペラグラスを覗き込む女性は、男性の視線など気にしていません。主体的な女性の姿がそこにあります。

また、「女性の人生において大切なことは母になること」と述べていたカサットは、母と子の姿も多く描いています。カサット自身は、生涯独身を貫いたとのことですが、母子像を描くことによって、母親の目線を得ていたのでしょうか。

ブルーと白の明るい色彩で描かれた「眠たい子どもを沐浴させる母親」(1880)には、膝に子どもを抱き、いとおしげなまなざしを向けながらも、片手はしっかりとスポンジをしぼり、主体的に子育てをする女性の姿が。「母の愛撫」(1896)においても、母親の頬をさわろうとする子どもの手をがっちりとつかむ母の手は力強く、母という意志に満ちています。

1890年に開かれた浮世絵版画展を見て感動したというカサットの、多色刷り銅版画10点の連作も見逃せません。描かれているのは、子どもをたらいで湯浴みさせる女性や、ドレスの仮縫いをしたり髪を結う女性、母と子のキスなど、日常の情景。主題や構図に浮世絵の影響が見られるとのことですが、迷いのないクールな印象があります。カサット自身も「いかに線を引いたらよいか勉強することができた」そう。

画家として、女性として。カサットの生き方にも興味が深まる展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
横浜美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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