ダリ展

サルバドール・ダリ(1904~89)の名前は誰もが一度は耳にし、ぎょろりとした目とくるんとカールしたひげを持つ独特の風貌を思い浮かべるのではないでしょうか。そして、作品に描かれた砂浜を思わせる黄色い大地や、ぐにゃりと折れ曲がった時計などの奇妙なモチーフも。国立新美術館に集結しているのは、故郷のスペインからパリ、アメリカへと進出した、少年時代から晩年まで約250点に及ぶ作品群。めくるめくダリの世界にどっぷりと浸れる展覧会です。
<会期:2016年9月14日(水)~12月12日(月)>

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まず展示されているのは、10代のダリが描いた風景画や自画像。点描で描かれた印象派風の浴女や、敬愛したラファエロの自画像のようなポーズをとった自画像など、いわゆるダリ風でない初期作品は新鮮な印象です。1922年、マドリードの王立美術アカデミーに入学しますが、そこでの教育に飽き足らず、反抗的な学生であったとか。ダリが描く自画像もキュビスム風に変化しています。

1929年、詩人のポール・エリュアールの妻であったガラと出会い、恋に落ちたダリ。妻であり、マネージャーでもあったガラは、ダリの作品の中にも多く登場します。「ポルト・リガトの聖母」(1950)は高さ3mに近い大作ですが、聖母マリアのモデルはガラ。スペインのモロッコ進軍という歴史的テーマを描いた「テトゥアンの大会戦」(1962)も、大画面の中央には、ダリとガラが先頭をきって。

1930年代以降、一枚の絵の中に、ひとつの形態を繰り返し描く「形態学的なこだま」を探求するようになったそうです。「奇妙なものたち」(1935)は、星空の下、赤いソファの前に、小枝の髪の毛が生えた木のような女性が立つ不思議な作品ですが、女性の腕と椅子の肘掛、女性の下半身と建物の開口部に同一形態が見られます。曲がった時計、椅子に残された人型のくぼみ、引き出し、ピアノなど、おなじみのモチーフも満載です。

第二次世界大戦が勃発するとアメリカに亡命したダリですが、日本への原爆投下に大きな衝撃を受けたといいます。「ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌」(1945)は、黒を基調とした陰鬱な世界。悲しげに首を傾ける人物の頭部に、原爆を落とす戦闘機が描かれ、ベースボールに興じるアメリカ人との対比に考えさせられます。

版画作品も展示されており、小説「三角帽子」の挿絵もダリワールドですよ。

201601 794

展覧会のホームページはこちらから
国立新美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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