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クラーナハ展 500年後の誘惑

冷めたまなざしと白い肌。小ぶりな乳房と少女のようにも見える肢体。クラーナハ(1472~1553)が描いた女性像は、ボッティチェリ(1445~1510)やラファエロ(1483~1520)といったイタリア・ルネサンスの画家たちのふくよかな女性像に比べると、どこか不健康で妖しい雰囲気をまとっています。ドイツ・ルネサンスを代表する画家、クラーナハ。特異のエロティシズムと評される一癖ある作品群が、国立西洋美術館に集結しています。
<会期:2016年10月15日(土)~2017年1月15日(日)>

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1505年、ザクセン選帝侯の宮廷画家となったクラーナハ。大規模な工房を構え、絵画の大量生産を行なったといいます。薬の販売や印刷事業など実業家としても活躍し、市長にも選出。マルティン・ルターの盟友として、宗教改革にも貢献しました。

実業家として成功を収めたクラーナハが、一方で、妖しい魅力を放つ女性像を描きまくっていたとは…。暗闇の中に裸体の全身像として浮かび上がる「ヴィーナス」(1532)は、少し腹部を突き出したようなS字型の華奢なボディライン。完全な裸体ではなく、首には豪華なチョーカーとネックレス、髪全体をネットのような髪飾りで覆っています。細長いベールを手にしてはいますが、あまりにも透明なため、素肌ははっきりと透けて見えます。うっすらと微笑みを浮かべ、自分が見られていることを、また、見られている裸身が魅力的であることを、十分に意識しているかのよう。

 「正義の寓意(ユスティティア)」(1537)も、天秤と剣を手にした女性は、髪飾りと首飾りのみを身に付け、透明なベールに包まれていながら、包まれていないように透けて見える裸身が、なんとも魅惑的。

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メインビジュアルになっているのは「ホロフェルネスの首を持つユディト」(1530頃)。自らがとった将軍の生首を手にするユディトは、無表情に落ち着き払い、うっすらとした笑みまで浮かべています。生首のグロテスクさを凌駕する圧倒的なユディトの美しさは、将軍を誘惑した「女のちから」そのもの。

「女のちから」に骨抜きにされてしまった男性として、糸紡ぎをさせられるヘラクレスや、デリラに髪の毛を剃り落とされてしまうサムソンも描かれています。宗教改革から500年を数える本年に開催されたクラーナハ展。500年後の誘惑に惑わされてみませんか。

201601 985

展覧会のホームページはこちらから
国立西洋美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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