オルセーのナビ派展

19世紀末のパリ。ヘブライ語で預言者を意味する「ナビ派」と称した、若き芸術家のグループがありました。新しい絵画を模索した、ボナール(1867~1947)、ドニ(1870~1943)、ヴュイヤール(1868~1940)などの画家たちです。オルセー美術館のナビ派コレクションから約80点を集め、ナビ派の芸術を日本で初めて本格的に紹介する展覧会が、三菱一号館美術館で開かれています。
<会期:2017年2月4日(土)~5月21日(日)>

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折りしもジャポニスムの時代。「日本かぶれのナビ」と呼ばれたのがボナールです。「庭の女性たち」(1890~91)は、掛軸を思わせる、縦長の細長い画面に描かれた4枚の連作。屏風として制作されたといいます。引き伸ばされたしなやかな肢体の女性たちが、庭で思い思いに過ごしています。赤に白の水玉のワンピースの女性は犬と戯れ、やわらかなピンクの服の女性は猫と座る。パープルのケープの女性は紅葉の中に佇み、格子柄の服の女性は白の帽子をかぶって。それぞれの色調が美しく、服の模様と背景の植物模様がマッチして、なんとも華やかで装飾的。平面的な画面は、浮世絵の影響を受けているとか。

同じく、縦型の大型の連作で目を奪われてしまうのが、ヴュイヤール「公園」(1894)。とある私邸の応接間兼食堂の装飾画として制作された9枚1組の作品で、オルセー美術館が所蔵する5枚を見ることができます。横に並べるとパノラマ写真のように連続した画面には、公園の中の日常の情景が描かれています。今にも駆け出しそうな子どもたち。子どもの問いかけを腰をかがめて聞く母親。腰掛けて語らう3人の女性。赤の日傘をさして一休みする女性。あたたかで親密な情景ながら、地をはうような影の描写に不穏な雰囲気も。マットな質感は膠を使用して描かれているからだそうです。

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ドニの「ミューズたち」(1893)には、木々の間に集う女神たちが描かれていますが、同時代の衣服をまとい、現代女性の姿をしています。神秘的な色調で表現された、目に見えない世界。

親密な日常性、室内で楽しみたい装飾性、目に見えない精神や祈りをも描こうとした神秘性。一筋縄ではいかないナビ派芸術に触れることのできるチャンスです。
※写真は、主催者の許可を得て撮影しています。

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展覧会のホームページはこちらから
三菱一号館美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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