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川瀬巴水展―郷愁の日本風景

銀座並木通りを新橋から銀座に向かって歩くと、右手に「渡邊木版画美術画舗」があります。創業は、明治39(1906)年。渡邊庄三郎(1885~1962)が店をかまえ、海外に浮世絵を輸出していましたが、大正時代には、「新しい時代の浮世絵をつくろう」と画家たちに呼びかけ、芸術性の高い木版画をめざす「新版画」というジャンルを築きました。この呼びかけに応え、版元の渡邊と組んで、600点を超える木版画を残した川瀬巴水(1883~1957)の生誕130年展が千葉市美術館で開催されています。

<会期:2013年11月26日~2014年1月19日>

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幼い頃から絵を好んだ川瀬巴水は、27歳のときに鏑木清方に入門。35歳のとき、同門の伊東深水が手がけた木版画の連作「近江八景」に感銘を受け、木版画を発表するようになります。以降、旅に出てはスケッチをし、東京に戻っては版画をつくるという暮らしを続け、旅の風景を叙情的に描いて「昭和の広重」と呼ばれるまでになりました。

山里や漁村、寺社や路地などの何気ない風景が描かれていますが、静かで、どこか憂いを含んだ風情が漂っています。印象的なのは、巴水ブルーとも言うべき、美しい青の色。水の青や、空の青もそうですが、特に、夜のとばりの青が心に沁みます。月夜の風景や、薄明かりを残して暮れなずむ風景が、青の濃淡で叙情的に表現されているのです。川、海、湖などの水辺の風景も、橋や街灯の光の反映や水面のゆらぎなどが繊細に表現されています。

また、雨や雪が風景の表情を変えることを、巴水は知っていました。そぼふる雨や降り積もる雪によって、風情を増す街の風景が見事にとらえられています。

会場では、「増上寺の雪」(1953)を例に、順序摺の映像を見ることができます。微妙な陰影や色合いの深みなどを表現するために、なんと42回も摺り重ねて制作されています。川瀬巴水は「私と職人との心が一致するときよいものができる」と述べていますが、絵師、版元、そして、彫師、摺師が心をひとつにして、作品を生み出していたことがよくわかります。

作品点数も十分で、貴重な写生帖も展示されており、とてもみごたえのある展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
千葉市美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

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