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ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860~1900

凡庸な壁紙、テーブルクロス、家具、燭台などで飾り立てられた住宅に暮らすのではなく、生活の中の調度品にも確固とした美を求める―。絵画だけでなく、暮らしの中にも美を提唱した、英国の美術運動「唯美主義」。油彩画、家具工芸品をはじめとする140点で、唯美主義を総合的に紹介する展覧会が、三菱一号館美術館で開催されています。
<会期:2014年1月30日~5月6日>

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絵画においては、物語や逸話を主題とするのではなく、ただ美しく、見る人の目を歓ばせるための芸術が展開しました。メインビジュアルのアルバート・ムーア(1841~1893)の「真夏」(1887)は、その極みともいえる作品。鮮やかなオレンジ色のローブをまとった女性は、どこまでも美しく、優雅なたたずまい。東洋趣味の扇子にあおがれ、中央の女性は、古代風の椅子にもたれて眠り込んでいます。椅子の背には、黄色が美しいマリーゴールドの花輪。あまりにも明るく、やわらかな光に包まれているため、一瞬、デイドリームのようですが、背景には夜のとばりが降りています。まさに、真夏の夜の夢。画面が美的なものだけでうめつくされていますね。

古代風のローブや椅子に見られるように、唯美主義の芸術家たちは、古代ギリシアを理想としていたといいます。そして、もうひとつの理想は、なんと、開国したばかりの日本。1862年のロンドン万国博覧会に、染織、陶磁器、漆器、金工など日本の工芸品600点以上が出品され、その芸術性が高く評価されました。日本様式の芸術性の高い調度品を取り入れた暮らしが、美しいとされたのです。

フレデリック・レイトン(1830~1896)の「母と子(さくらんぼ)」(1864~65)は、ペルシア絨毯の上によこたわる母に、子どもがさくらんぼをさしだす様が描かれていますが、背景には、鶴を描いた日本の屏風が置かれています。また、ウィリアム・ブレイク・リッチモンド(1842~1921)の「ルーク・アイオニディーズ夫人」(1882)の背景には、蝶や花を刺繍した、日本の絹布があしらわれています。

「家には、役に立つと思うか、美しいと信ずるもの以外、置かないように」とは、画家や建築家の仲間とともに、芸術的な家具の普及に力を注いだウィリアム・モリス(1834~1896)の言葉です。唯美主義は、一部の芸術家だけでなく、家庭の家具や室内装飾を通じて、一般の人々の美意識を改革したことに意義があったと考えられます。遠く離れた日本の工芸品も影響を与えていました。美しい暮らし―今を生きる私たちも見直してみたいですね。

もっと19世紀の英国美術に触れるために、また、わざを凝らした日本の工芸品を知るために、以下の展示もいかがでしょうか。
ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢(森アーツセンターギャラリー)
人間国宝展(東京国立博物館)

展覧会のホームページはこちらから
三菱一号館美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

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