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超絶技巧!明治工芸の粋

天下泰平の世が270年も続いた江戸時代、日本の刀装具の金工技術や漆器の装飾技術は、世界最高レベルに達していました。明治維新により、武家の後ろ盾を失ったその職人たちは、海外輸出用の工芸品を制作するようになります。1873年、明治政府はウィーンで開かれた万国博覧会に初めて参加しますが、日本の国力を誇示するため、職人のパトロンとなって、大作や名品を作らせ出品したのです。万国博覧会で日本の工芸品を見た欧米人は、その超絶技巧に驚き、高値で買い求めたといいます。

村田理如氏(1950~)は、明治の超絶技巧工芸の価値を認め、海外に流出していた作品を買い戻して蒐集し、清水三年坂美術館を設立。この村田コレクションから約160点が、三井記念美術館で公開されています。
<会期:2014年4月19日~7月13日>

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並河靖之(1845~1927)の有線七宝は、優美な色彩と精緻な文様で、美しさが際立っています。有線七宝とは、輪郭線に金属線を貼り付け、釉薬をさして焼き付ける技法ですが、「花文飾り壷」の藤の花びらは1mmほどの細かさです。「鳥に秋草図対花瓶」は、深い茶色の地に薄、萩、女郎花などの秋草と鳥が描かれ、対になった2つの花瓶。左右の図様が調和し、気品が漂います。

正阿弥勝義(1831~1908)の金工である「群鶏図香炉」は、銀地に金、赤銅などを象嵌し、鶏は羽毛まで繊細に表現。菊の花びらは、一枚一枚を鏨で彫り出しています。そして、漆器に螺鈿、象牙、鼈甲などを象嵌した芝山細工の「花鳥図大花瓶」。花びらの細かな文様を彫り表した白蝶貝、黄蝶貝が象嵌され、絵のような美しさに眼を奪われます。

初めて鑑賞した「刺繍絵画」は、一面を刺繍で埋め尽くし、図様を表した作品。「瀑布図」は、赤く染まった木々と滝が描かれていますが、葉の陰影や滝の水のうねりやしぶきまでもが見事に表現されています。絹の糸の光沢が光と影に呼応し、角度を変えて鑑賞すると、実際の光が揺らいでいるようです。「獅子図」の毛並みも、まるで生きているかのように感じられます。

他にも、象牙を彫り彩色した「牙彫」の野菜や果物は、本物と見まがうほど。各部分を自由自在に動かすことのできる「自在」の蛇や鯉などにも目をみはります。

このように優れた明治の工芸品も、日清・日露戦争などを経て、30年ほどで姿を消してしまったとか。もう2度と誰にもつくれないかもしれないことを思うと、その美しさがますます貴重なものに思えますね。

展覧会のホームページはこちらから
三井記念美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

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