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こども展 名画にみるこどもと画家の絆

近代以前の西洋において、こどもは「未完成な大人」と見なされ、芸術の主題としてふさわしくないとされてきました。登場するこどもは、天使やキューピッド、王族の子息ぐらいです。18世紀半ば、哲学者ジャン・ジャック・ルソー(1712~1778)が、教育学の名著とされる「エミール」で、こども固有の世界を認めたことから、こどもは家族の中心となり、19世紀以降は、「愛すべきこども」として多く描かれるようになったそう。

ルノワール、ルソー、ピカソなど48人の画家が描いたこどもの絵を通して、画家とこどもの絆を紐解く展覧会が、森アーツセンターギャラリーで開催されています。
<会期:2014年4月19日~6月29日>

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なんといってもインパクトがあるのは、アンリ・ルソー(1844~1910)の「人形を抱く子ども」(1904~05頃)。大人の男性のようにも見える人形を抱きしめた、赤いワンピースの少女が描かれていますが、ずんぐりむっくりとした身体つきで、表情は思いつめたよう。ルソーは、6人ものこどもを早くに亡くしたといいますから、亡くなったこどもが、天国の花畑で早世した無念をかみしめている姿のようにも思えてきます。

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印象派の画家もこどもの絵を残しており、ルノワール(1841~1919)は、息子の肖像を繰り返し描きました。その姿は金髪を伸ばし、まるで女の子のような愛らしさです。また、マネ(1832~1883)の弟と結婚したベルト・モリゾ(1841~1895)の娘ジュリーもモデルにしています。モリゾの死後、ジュリーの後見人となったのがルノワールでした。「ジュリー・マネの肖像、あるいは猫を抱く子ども」(1887)は、やわらかな微笑みを浮かべ、猫を抱くジュリーを描いたもの。猫もジュリーも幸せそうで、ルノワールがジュリーをどれだけ愛おしんでいたかがわかります。

ピカソ(1881~1973)の「ポーランドの衣装を着たクロード」(1948)は、フランソワーズ・ジローとの間に生まれた息子がモデルですが、こども全体がロシアのマトリョーシカのような楕円形に描かれ、可愛いこどもらしさが感じられます。クロードと娘パロマを紙に描き、切り抜いてつくった手製のおもちゃも展示されており、ピカソの愛情が伝わってきますよ。

他にも、マティス(1869~1954)の意思のある表情のこども、パスキン(1885~1930)の憂いをふくんだ表情のこども、そして、レオナール・フジタ(1886~1968)の乳白色の世界で大人びた表情のこどもなど、画家の個性が感じられる興味深い作品がそろっています。

この展示は、2009年11月から2010年3月まで、パリのオランジェリー美術館で開催された展覧会を日本向けに再構成したとのこと。描かれた時代や画家の流派による個性をたどるのも楽しいですし、画家のこどもへの思いを想像するのも楽しい展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
森アーツセンターギャラリー


テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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