デュフィ展 絵筆が奏でる色彩のメロディー

赤の背景に置かれたヴァイオリン。赤の中には、軽やかな線で一面に花が描かれ、壁には画中画として、デュフィ自身の花の絵がかけられている―。ポスターに使用されている「ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ」(1952)を見た時から、その明るい色彩とエレガントで流れるような線描に心ひかれました。展覧会タイトルにあるとおり、色彩のメロディーが聞こえてきそうです。

20世紀前半、ピカソやマティスと同時代に活躍したフランスの芸術家ラウル・デュフィ(1877~1953)の回顧展が、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。
<会期:2014年6月7日~7月27日>

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初期の風景画から晩年の音楽をテーマとした油彩、木版画、テキスタイル、陶器、家具など多種にわたる作品が展示されていますが、「電気の精」(1952~53)は、見どころのひとつ。原画は1937年のパリ万博において、パビリオン「光と電気館」の壁画として描かれた横60メートルに及ぶ大作で、現在もパリ市立近代美術館で見ることができます。展示されているのは、その縮小版として制作されたリトグラフです。

やわらかな色彩のハーモニーでつづられているのは、古代から当時に至る歴史絵巻。上部には、古代の大自然から都市、工場、ネオンなどが作られていく電気技術の発展過程が、また、下部には、アリストテレスからエジソンまで、科学の進歩に貢献した100人以上の学者たちが描かれています。色彩にあふれ、見るだけで美しいのですが、学者ひとりひとりの服装やポーズ、また、モチーフの意味合いを紐解くのも楽しく、飽きることがありません。

デュフィは、「青は、そのすべての段階において、本来の個性を保ち続ける唯一の色彩である」と述べています。「ニースの窓辺」(1928)は、窓から見える海、空、山、そして室内までをも、さまざまな青の色で描き出した、洗練された雰囲気の作品。外と内をつなぐものとして窓を描き、青を効果的に配した他の作品も、瀟洒な香りが感じられます。

また、デュフィは1907~11年に、木版画にも力を注ぎました。アポリネール「動物詩集あるいはオルフェウスとそのお供たち」(1911刊)の挿絵は、モノクロの木版画。詩人オルフェウスと陸、海、空の動物と昆虫たちをテーマに、馬、ライオン、クジャク、ミミズク、鯉などが描かれています。動物たちの周りには、黒地に白の太い線で、植物などの背景が画面いっぱいに描かれ、力強く装飾的な味わい。モノクロなのに、どこか華やかな印象があります。

絵画はもちろん、木版画や他の装飾芸術に至るまで幅広く展開された、デュフィの詩情ある世界を存分に感じることができますよ。

展覧会のホームページはこちらから
Bunkamuraザ・ミュージアム


テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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