奈良・国宝 室生寺の仏たち

写真家・土門拳が40年間通い詰め、かずかずの作品に残した奈良の室生寺。奈良時代に創建された真言宗の寺で、女人禁制であった高野山に対し、古くから女性の参詣を受け入れていたため、「女人高野」と呼ばれています。土門が愛してやまなかった室生寺の木彫仏が、東日本大震災からの復興を祈念して、仙台市博物館で出開帳されています。
<会期:2014年7月4日(金)~8月24日(日)>

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まず、迎えてくれるのは、国宝「釈迦如来坐像」。土門が「日本第一の美男の仏像」と惚れ込んで撮影した平安時代の木彫仏で、どっしりと豊かな量感。流れるような衣のラインが美しく、三角の衣の折れなど、細かな表現も。

薬師如来に従う武神である十二神将立像(重要文化財)は、どうしても見たかった鎌倉彫刻。木造で彩色され、玉眼がはめられた12体の神将で、2体は奈良国立博物館に寄託されているため、室生寺では10体しか見ることができません。今回は、頭上に十二支の動物をつけた12体が勢ぞろいし、それぞれに異なる表情とポーズも、360度から間近に見ることができます。

左手を挙げ、空をあおぐ「子」。指を2本たて、顔をしかめたような「丑」。目尻を上げて、凛と右前を見据える「辰」。目尻を下げ、左手をかざして「どーもどーも」と言っているかのような「巳」。両手で矢を持ち、左下に狙いを定めているような「申」。鷹揚に見据える「酉」。人差し指を立て、野球のサインを送っているような「亥」。髭をはやし、眉間にしわをよせて困っているような「戌」。頬に手をあてて、ひざを曲げ、どこかユーモラスな「未」。左手を挙げ、右手は腰に、フラメンコのポーズのような「午」。口をへの字にし、どや顔の「卯」。目を見開き眉毛を吊り上げ、虎が吠えているような「寅」。土門の写真で想像していたより、小さい印象でしたが、本当に個性豊かで見飽きません。

そして、国宝の「十一面観音菩薩立像」。頭部に小さな11の面をつけた平安時代の彫像で、唇に紅をさし、頬はふっくらとして少女のよう。頭上の面像のひとつ「暴悪大笑面」は真後ろにあり、今まで見ることができませんでしたが、今回は光背が外されているため、大口を開けて笑っている表情を見ることができます。

会期はあとわずかですが、心が励まされる、価値のある展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
仙台市博物館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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