木版ぞめき 日本でなにが起こったか

「ぞめき」とは、江戸言葉で「騒ぎ」という意味。日本の伝統木版は、時代時代で人々を魅了し、騒がせてきました。江戸時代に考案された木版画ですが、2011年より国際的な意見交換の場として、摺師、研究者、紙屋、道具屋等が集まり、国際木版画会議が開催されています。本年開催の第2回会議は、東京藝術大学がホスト校。特別企画展を東京藝術大学大学美術館において見ることができます。
<会期:2014年8月30日(土)~9月14日(日)>

610.jpg

会場に入ったとたん魅了されるのは、恩地孝四郎(1891~1955)「美人四季」(1927)。春眠なのか、頬杖をついてまどろむピンクの肌の春美人。入浴なのか、裸で髪に手をやるグリーンの肌の夏美人。草笛なのか、草を口にするオレンジの肌の秋美人。黒のコートに顔をうずめる、黒猫を抱いた白い肌の冬美人。竹久夢二と交流があったとのことですが、モダンな味わいで、女性の魅力が香りたちます。

モダンといえば、アンリ・マティスに師事した硲伊之助(1895~1977)「裸婦」(20世紀)。ベッドに横たわる無防備な女性と、パンなどをのせた傍らのトレイ。女性は膝をたてて、ピンクの片足があらわになっていますが、シャープな線とモダンな画風のため、なまめかしさを感じません。壁紙の表現もマティス風です。

大正時代に木版で制作された千社札やポチ袋も展示されています。ポチ袋は、紅色、茶色、紫色と色ごとに60枚が並べられ、ひとつひとつの名刺大の小世界が楽しめます。人物や植物のあしらいや、模様と色彩の組み合わせなど、デザインには当時の創意が凝らされています。

大正時代につくられた「綾錦」は、内外古今の名物裂の名品を木版で再現した全集。裂そのもののような出来栄えで、名人にしか摺ることができなかったといいます。

大未来予想図絵として、現在の木版画を展示したコーナーも。梅村圭(1986~)の作品は、アニメにでてくるような少女たちを透かせて、骸骨がポーズをとっているように表現。ツツミアスカ(1980~)は、木版画とインクジェットプリントなどを組み合わせたミクストメディア。ひとくちに木版画といっても、モティーフも技法も多様化し、表現の可能性が広がっています。

展覧会のホームページはこちらから
東京藝術大学大学美術館

木版画に興味のある方は、こちらの記事もぜひ
魅惑のニッポン木版画

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

プロフィール

青い鳥

青い鳥
心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSS
リンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: