わたしのマーガレット展

少女漫画誌「週刊マーガレット」が創刊したのは、1963年。創刊から1970年頃までには、わたなべまさこ、西谷祥子、本村三四子、浦野千賀子などの強力連載で、日本中の少女の心を鷲づかみに。「マーガレット」派とライバル誌「少女フレンド」派が、教室を二分していたとか。マーガレットの創刊50周年を記念して、50年を彩った70作家400点に迫る原画が並ぶ展覧会が森アーツセンターギャラリーで開催されています。
<会期:2014年9月20日(土)~10月19日(日)>

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創刊時の原画は、ピンク地に白のレース模様の壁面に展示されています。1960年代は、外国を舞台にしたロマンスや、家庭や学校など身近な日常を描く物語が多かったそう。わたなべまさこ「ガラスの城」(1969~1970) は、華やかな異国の地でのサスペンス。当時想像もつかなかった伯爵家の生活ぶりなどを、彼女の漫画から思い描くことができたのではないでしょうか。西谷祥子「マリイ♥ルウ」(1965~1966)は、ファッショナブルでロマンティックな恋物語。読者は少しお姉さんになった気分で、恋を疑似体験していたのかもしれません。

スポーツ漫画や恐怖漫画も一世を風靡しました。バレーボール漫画である浦野千賀子「アタックNo.1」(1968~1970)は、スポ根ものの代表作としてテレビアニメでも大人気に。テニス漫画として山本鈴美香「エースをねらえ!」(1973~1980)。日本にテニスブームを巻き起こしました。黒地に赤い血がしたたる壁面には、恐怖漫画の原画が。古賀新一の漫画には、人面瘡や白へび、毒ぐもの化身が登場し、こわいけれど読んでしまう一大ブームに。

宝塚歌劇の演目としても人気の池田理代子「ベルサイユのばら」(1972~1973)は、少女漫画史における不朽の名作。原画は、宮殿風の壁紙をあしらった壁面に展示されています。その華麗な世界にあこがれた少女は数知れません。会場には、オスカルとアンドレの等身大立像も(撮影可能です)。

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テレビドラマ化された神尾葉子「花より男子」(1992~)の原画は、黒板や机をアレンジし、教室をイメージした展示室に。学生時代の気持ちがよみがえります。50年のラインナップですから、心に残る漫画は、どの時代を過ごしたかによって違うはず。映画が話題の紡木たく「ホットロード」(1986~1987)や、エッセイストとしても活躍する槇村さとる「愛のアランフェス」(1978~1980)などなど。

展示のラストの壁面には、過去のマーガレットの表紙が一面に並んでいます。時代を超えて、胸をときめかせる少女漫画の世界が堪能できます。

展覧会のホームページはこちらから
森アーツセンターギャラリー

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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