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フェルディナント・ホドラー展

国立新美術館で開催中のチューリヒ美術館展で、もっともインパクトを感じた画家ホドラー(1853~1918)。40年前の1975年に、日本初のホドラー展が国立西洋美術館で開催されたそうです。1911年、武者小路実篤が雑誌「白樺」に次のような詩を載せてもいます。
―ホオドラアよ 大なる孤独の男よ―

「白樺」では、白樺派の理想に合致する美術として、ホドラーを紹介していたようです。日本では、かなり早くから知られた画家だったのですね。内省的で静かな作品世界を改めて感じることのできる展覧会が、再び、国立西洋美術館で開催されています。
<会期:2014年10月7日(火)~2015年1月12日(月)>

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生涯、母国スイスにとどまり、国民画家として親しまれているホドラー。ベルンの貧しい家庭に生まれ、若くして、両親・兄弟のすべてと死別します。1880年代のホドラーの絵画に、死や憂鬱のイメージが漂うのは、そのためでしょうか。赤のショールを肩に、生気のない横顔を見せる「病み上がりの女性」(1880頃)。自らの棺の木を切りながら、物思いにふける「思索する労働者」(1884)。頭の後ろから血を流し、草原に横たわる「傷ついた若者」(1886)。

その後ホドラーは、複数の人物による反復のイメージや、身体の動きによって表わされる感情やリズムの表現に向かいます。“よきリズム”を意味する「オイリュトミー」(1895)は、落ち葉の散る道をうつむきがちに歩く、白い衣装をまとった5人の老人が描かれています。5人のポーズは少しずつ異なり、まるで死への行進のよう。ホドラーは、人間には死が迫るからこそ、生が躍動すると考えていたそうですが、その死の概念を受け入れた老人たちの静かな“よきリズム”が感じられます。

「オイリュトミー」と対をなす「感情Ⅲ」(1905)は、雰囲気が一転。赤いポピーの花咲く道を歩く4人の女性が描かれていますが、両手を胸に、躍りのステップを踏んでいるかのよう。顔を向こうに向け、少しずつ違うポーズをとっているように見えます。「生」の躍動のリズムが感じられます。

「昼Ⅲ」(1900/10頃)は、3人の女性が左右対称に描かれています。右の女性は両手をかざして陽の光をさえぎり、左の女性は両手を合わせて光をあびています。真ん中の女性は両手を上にあげて、光と一体に。「覚醒」をテーマとした作品です。

ホドラーは、さまざまな表情を見せるアルプスの自然にも、反復やリズムを見出していました。その風景画は単なる再現ではなく、雲の連なりや山肌、そして湖面に映るシルエットが造形のパターンとして描かれています。

晩年の作品である、癌におかされた20歳年下の恋人の遺骸を描きとめた「バラの中のヴァランティーヌ・ゴデ=ダレルの遺骸」(1915)。バラ色の空間で、彼女はリズムを止めたのでしょうか。ホドラーの死はその3年後でした。

展覧会のホームページはこちらから
国立西洋美術館

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チューリヒ美術館展

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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