スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

赤瀬川原平の芸術原論展

この10月26日に他界した芸術家、赤瀬川原平(1937~2014)。前衛芸術家、イラストレーター、小説家、写真家とさまざまな顔を持つ赤瀬川ですが、500点を超える作品と資料を通して、50年にわたる活動を紹介する展覧会が千葉市美術館で開催されています。彼の死は、開幕の2日前でした。
<会期:2014年10月28日(火)~12月23日(火)>

830.jpg

小学生時代から虚弱だった赤瀬川は、武蔵野美術学校に入学するも、1959年に胃を手術。同年、伊勢湾台風で実家が水没し、命かながら脱出したといいます。60年代に入ると、前衛芸術グループに参加してオブジェを制作。当時の作品は、今見ても刺激的です。

「ヴァギナのシーツ(二番目のプレゼント)」(1961/94)は、ひだのある巨大な造形の中央にビニール管が。発表当時は硫酸を垂らしたとか。「宇宙の罐詰」(1964/94)は、缶詰の外側のレッテルを内側に貼り、缶をハンダで密封。そのことで、宇宙は缶の内側に包み込まれ世界が反転するという発想は、赤瀬川ならでは。石膏像の両眼部分を削りとりカメラを接着、切り取った両眼部分はカメラケースに入れるという「ホモロジー・男」(1964)も、既存概念を転倒させた面白さがあります。

「人体展開図写真」(1964)は、直立した人物の右横・正面・左横・後姿に加え、仰向けに寝た頭部からと足裏からの写真を撮り、身体サイズも計測。人体図鑑の趣の作品で、採取されたのはオノ・ヨーコ、ナムジュン・パイク、横尾忠則らという豪華さです。赤瀬川は、個展の案内状を模型千円札として印刷し、現金書留で送付してもいますが、宛先には、安部公房、瀧口修造、岡本太郎らの名が。綺羅星のような才能を持つ人たちが、新しい表現を追い求めた稀有な時代だったのかもしれません。

1969年より、「現代考」シリーズを「現代の眼」に連載し、イラストレーターとしての顔を見せます。1ページにイラストと時評文を組み合わせた同シリーズは、大海に浮かぶ6匹の蛙のイラストには「大海の蛙 井の中を知らず」、機動隊に捕らわれる活動家のイラストには「渡る世界は鬼だらけ」と添えられるなど、独創的な視点が活かされた構成です。

さらに、都市の中に機能を失ったまま存在する「無用の長物」を、巨人で三振ばかりしていたトマソン選手になぞらえ「超芸術トマソン」として、写真に記録しました。出入り口に通じていない階段、入れない門、路肩で寄り添う狛犬…。卓越した観察眼で、日常を非日常に変えてしまいます。

ガロに漫画を連載し、美学校で教え、1981年には小説「父が消えた」で芥川賞を受賞。「老人力」(1998)はベストセラーにもなりました。ジャンルを超え、常に刺激的な表現を求め、メッセージを発信し続けた赤瀬川原平。2フロアを使用した会場は、彼の芸術世界で満ちています。

展覧会のホームページはこちらから
千葉市美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

プロフィール

青い鳥

青い鳥
心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSS
リンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。