スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ジョルジョ・デ・キリコ 変遷と回帰

ギリシャで生まれたジョルジョ・デ・キリコ(1888~1978)が、パリで作品を発表したとき、まったく新しい絵画だと話題になったそう。確かに、なんとも謎めいた、神秘的な雰囲気が漂います。

キリコの絵は「形而上絵画」と呼ばれ、形のあるものや目に見えるものの背後にある「不安」や「不思議な感覚」を描いたとされています。描かれているのは、建物や彫像、マネキン、積木、ビスケット―。無関係に思われる物体の配置が醸し出す独特の詩情が魅力です。キリコの初期から晩年までの作品100点を紹介する展覧会が、パナソニック汐留ミュージアムで開催されています。
<会期:2014年10月25日(土)~12月26日(金)>

851.jpg

その名も「謎めいた憂鬱」(1919)は、床面の向こうに、視線を落としたヘルメス像。手前には、ビスケットの貼りついた箱、積木、そして、立てかけられた棒とその影。床は水平なようにも、せりあがっているようにも見え、配置されている物体が、すべり落ちずに静止していることに不安な気持ちになります。無関係なものが、当たり前のようにそこにあることへの不安、そして、不自然な位置関係への不安…。

そんなキリコですが、第一次世界大戦以後は、古典絵画を探求したとのことで、妻イザベッラをモデルとした「赤と黄色の布をつけた座る裸婦」(制作年不詳)は、安定感のあるふくよかな裸婦像。椅子にかけられた赤と黄色の布や、浜辺という場面設定が謎ではありますが。

その後のキリコは、自身の形而上絵画を複製したり、引用したりして、再び形而上絵画に回帰します。「古代的な純愛の詩」(1970頃)にしても、回廊のある建物を遠景に、手前のせりあがった地面には、古代彫像の足や玩具、定規のような物体が。謎めいた詩的な絵画が再生します。

「燃えつきた太陽のあるイタリア広場、神秘的な広場」(1971)は、空に輝く黄色の太陽と地面に置かれた黒い影の太陽が、チューブでつながれています。不思議な雰囲気ではありますが、明るい色彩が憂鬱を感じさせません。常に、新しいテーマに挑戦し続けたキリコの創造の軌跡を堪能できる展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
パナソニック汐留ミュージアム

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

プロフィール

青い鳥

青い鳥
心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSS
リンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。