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ホイッスラー展

―音楽が音の詩であるように、絵画は視覚の詩である。
このように語ったホイッスラー(1834~1903)の作品には、“シンフォニー”や“ハーモニー”、“ノクターン”といった名前がつけられています。ホイッスラーが求めたのは、絵画の主題や物語性ではなく、描かれた色と形の美しい調和でした。ホイッスラーの油彩、水彩、版画約130点を通して、究極の美を求めた画業を総覧する展覧会が横浜美術館で開催されています。
<会期:2014年12月6日(土)~2015年3月1日(日)>

201501 059

アメリカに生まれたホイッスラーは、1855年、21歳のときに画家を志し、パリに渡ります。そして、1859年にロンドンに移住。ラファエル前派との親交を深めるようになります。19世紀中頃、ヴィクトリア朝期のイギリスでは、見る人の目を歓ばせるための芸術として、純粋に色と形の美を求める唯美主義が展開していました。ホイッスラーは、唯美主義のリーダー的存在となります。

ホイッスラーの芸術において特徴的なのは、ジャポニスムの影響が色濃くみられること。“ノクターン”と名づけられた一連の風景画のひとつ「ノクターン:青と金色―オールド・バターシー・ブリッジ」(1872~75)は、バターシー橋がかかる夜のテムズ川の美しさを、青の濃淡で描いた作品。橋をクローズアップした構図や、引き伸ばされた橋げた、強調された橋の円弧に、浮世絵の影響が指摘されています。歌川広重「京橋竹がし」(1857)が一緒に展示され、比較することができます。

「白のシンフォニーNo.2:小さなホワイト・ガール」(1864)は、暖炉の前の白いドレスの女性が描かれていますが、暖炉の上には、朱塗りの椀や白磁の壺が置かれ、女性は団扇を手にしているなど、東洋モチーフがちりばめられています。透け感とボリュームのあるヨーロッパ調ドレスの表現も美しく、唯美主義の面目躍如です。

並んで展示されている「白のシンフォニーNo.3」(1865~67)は、白のソファにもたれる、白いドレスの2人の女性が描かれています。白の色彩の調和の中で、サーモンピンクの団扇がアクセントに。美しいものだけが描かれ、ラファエル前派の画家、アルバート・ムーア(1841~1893)の影響が指摘されています。

同系色でまとめられた肖像画も、静謐でどこか物憂げな独自の味わい。「灰色と黒のアレンジメントNo.2:トーマス・カーライルの肖像」(1872~73)は、寡黙で繊細な人物像を感じさせます。「黄色と金色のハーモニー:ゴールド・ガール―コニー・ギルクリスト」(1976~77)は、少女が舞台の上でなわとびをしているところを描いていますが、静かな気品が漂っています。

新年に、洗練された美しさと出会える展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
横浜美術館

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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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