新印象派 光と色のドラマ

はじめて印象派展が開かれたのは、1874年。モネ(1840~1926)に代表される印象派の画家たちは、絵具を短い筆触で画面に置くことで、見たままの光や明るい色彩を表現しました。波立つ海や移ろう光などを、感覚的に描いたのです。それに対し、1886年、第8回印象派展に出品したスーラ(1859~91)やシニャック(1863~1935)は、新印象派と呼ばれます。印象派から新印象派、そしてフォーヴィスムへ。その表現の変化を、時代に沿って分かりやすくたどることのできる展覧会が、東京都美術館で開催されています。
<会期:2015年1月24日(土)~3月29日(日)>

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新印象派の画家たちは、印象派の表現を発展させ、最新の光学や色彩理論に基づき、色彩の効果をより科学的に追求しました。端緒となったのは、第8回印象派展で注目された、スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(1884~86)。より明るい色彩を求めて生み出された、点描の技法で描かれています。絵具は混ざるとにごるため、パレットで色を混ぜることをやめ、純色を点でキャンバスに配置し、見る人の目の中で混ざりあって見えるようにしたのです。スーラやシニャックのパレットが展示されていますが、確かに純色が規則正しく置かれ、一目瞭然。

高さ2m、幅3mを超えるこの大作は展示されていませんが、習作4点を見ることができます。習作からさらにモチーフを選び、画面を再構成したとのことで、この点も、見たままを描く印象派とは異なっていますね。

新印象派というと自然の風景のイメージがありますが、マクシミリアン・リュス(1858~1941)のモチーフはユニークです。庶民や労働者の世界に関心を持ち、雲と混ざり合う煙突の煙や、高炉の炎などが描かれています。

1891年、スーラが31歳で亡くなって以降、点描技法も変化していきます。色彩理論に忠実であるよりも、強い色彩や大きめの筆触を用いた、より自由な表現が生まれました。シニャックの筆触も大きく大胆になっていきますし、アンリ=エドモン・クロス(1856~1910)の色彩豊かで幻想的な作品も目をひきます。マティス(1869~1954)が点描を試みた作品も。

展覧会のラスト作品は、アンドレ・ドラン(1880~1954)「コリウール港の小舟」(1905)。原色を用い、ダイナミックな筆触で力強く描かれた風景がそこにあります。スーラの小さな点から紡がれた20年のドラマ。すべては、筆触を残すことから始まったと言えるのかもしれません。

展覧会のホームページはこちらから
東京都美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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