茂田井武展-記憶の頁-

戦中から戦後にかけて、挿画家・童画家として活躍した茂田井武(1908~1956)。ちひろ美術館ではじめて原画を目にし、強く心に残りました。1930年代のパリの情景を描いた「ton paris(トン・パリ)」、そして、晩年に力を注いだという、子どものための絵雑誌「キンダーブック」。それぞれの原画を、ノエビア銀座ギャラリーで見ることができます。
<会期:2015年1月13日(火)~3月27日(金)>

201501 117

キンダーブックの創刊は、1927年。北原白秋(1885~1942)、西條八十(1892~1970)、武井武雄(1894~1983)など、当代、一流の人々が制作に関わってきました。茂田井は、1950年頃から亡くなる直前まで描いています。ちいさな挿絵ではなく、見開きの大画面で見せる茂田井の絵は、異彩を放ち人気を博したといいます。展示されているのは、油彩画ですが、素朴な味わいの中に、独特の詩情が感じられます。現代に活躍する奈良美智(1959~)も、茂田井の絵のファンとのことで、時代を越えた魅力を多くの方が感じているのですね。

また、茂田井は1930年、鞄ひとつでパリに旅立っており、日本人クラブの食堂部で働きながら、夜になると絵日記のように、心に触れた光景を画帳に描きとめました。多くは戦災で消失したとのことですが、「ton paris」が現存し、こうして原画を見ることができるとは夢のようです。豊かな色彩としゃれた光景。1930年代のパリの香りが漂ってきます。

キンダーブックと「ton paris」。時代も画風も異なりますが、豊かな物語をたたえた茂田井武の世界が広がっています。前期展示は終了し、後期展示もあとわずかですが、貴重な機会なのではないでしょうか。

こちらの記事もぜひ
夢二からちひろへ-子どもの本の先駆者たち-
生誕120年 武井武雄の世界展

展覧会のホームページはこちらから
ノエビア銀座ギャラリー

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

プロフィール

青い鳥

青い鳥
心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSS
リンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: