パスキン展

第一次世界大戦後の好景気に沸いた1920年代、「狂乱の時代」のパリ。退廃的で自由な雰囲気の中で、モディリアーニ(1884~1920)、シャガール(1887~1985)、レオナール・フジタ(1886~1968)など、世界各地からパリに集まった「エコール・ド・パリ」(パリ派)と言われる異邦人芸術家たちが活躍しました。副題に“エコール・ド・パリの貴公子”とあるように、ブルガリア出身のジュール・パスキン(1885~1930)もその一人です。その作品およそ120点を、パナソニック汐留ミュージアムで見ることができます。
<会期:2015年1月17日(土)~3月29日(日)>

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印象的なのは、ベージュっぽい背景に溶け込むような、やさしい色合いで描かれた女性像。晩年期の虹色に輝くような色彩は、「真珠母色」と呼ばれるそうです。

白いタイツにピンクのトゥシューズ。白っぽいブラウンの背景に、淡いピンクの衣装をまとった少女がまっすぐに立つ「少女-幼い踊り子」(1924)。肌色が背景に溶け込む中で、目鼻立ちが凛と際立っています。

愛人リュシーを描いた「テーブルのリュシーの肖像」(1928)。こちらも淡いブラウンの背景に、食卓に肘をつく物憂げなリュシーの姿が。ブルー、オレンジの小花がかすかに華やぎを添えています。リュシーへの愛情が感じられる作品です。

ソファでうたた寝をしているモデルを描いた「ミレイユ」(1930)。白っぽい光に溶け込むように描かれたミレイユを、やさしく慈しんでいるようです。

新鮮だったのは、戦火を逃れてアメリカに渡った時代に描いた「キューバでの集い」(1915-17)。飲み物を手に、談笑する男女。口ひげの男性がユーモラスで、キュビスム風の味わいも。緑の背景が南国的で、キューバの風土を感じます。

「人間、45歳を過ぎてはならない。芸術家であればなおのことだ。それまでに力を発揮できていなければ、その歳で生み出すものは、もはや何もないだろう」と語っていたパスキン。1930年、その45歳で、アトリエで自死をとげます。パリ中の画廊が弔意から店を閉じたといわれるほどの人気画家だったのですが…。壁には、血文字で「さよなら、リュシー」とあったとか。

リュシーとの結ばれない愛、ユダヤ系のルーツへの苦悩、放蕩な生活などが指摘されていますが、切ないですね。

展覧会のホームページはこちらから
パナソニック汐留ミュージアム

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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