DAVID BOWIE is デヴィッド・ボウイ大回顧展

1947年1月8日に生まれたデヴィッド・ボウイは、69歳の誕生日である昨年1月8日に新アルバム「★(ブラックスター)」を発売。その2日後の1月10日にこの世を去りました。70歳を迎えるはずだった2017年1月8日から天王洲・寺田倉庫G1ビルで始まった大回顧展は、2013年に英国のヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が企画したもの。世界9ヶ国を巡回し、日本での開催となりました。
<会期:2017年1月8日(日)~4月9日(日)>

201701 110

特長的なのは、ひとりひとりに提供されるヘッドフォンを装着して鑑賞すること。自ら操作する必要はなく、展示物に応じてセンサーが反応し、楽曲やインタビューを自動的に聞くことができます。

随所に展示されており目を引くのが、ユニークで華麗な衣装です。まず最初に出会うのは、山本寛斎がボウイのツアーのためにデザインしたストライプスーツ。「派手な衣装を」と依頼された寛斎が、日本の武士や歌舞伎にインスパイアされて制作したとか。袴が大きく膨らんだようなボリューム感と、等高線のようなストライプが迫力満点。

他の衣装も手がけた山本寛斎だけでなく、ジャケット写真などでボウイを40年以上撮り続けた鋤田正義など、ボウイは日本のクリエーターと積極的にコラボレーションしていました。ボウイが描いた三島由紀夫の肖像画も展示されています。愛読書が「午後の曳航」であったとは驚きですね。

何気なく聞いていた「スペース・オディティ」が映画「2001年宇宙の旅」にインスパイアされていたり、アポロの月面着陸とリンクしていたり、曲の背景が紹介されているのも興味深いところです。

そして圧巻なのは、ショウ・モーメントのセクション。四方の壁面一面に、四角く区切られたスクリーンが並んでいます。あるときはそのひとつひとつに映像が投影され、あるときは全てを連結して大スクリーンに。奥に衣装が展示された区画もあり、透けて見えたり、映像と重なったり。変幻自在に変化しながらライブ映像が堪能でき、音響と映像に感動。思わず、立ち尽くしてしまいます。

他にも自筆の譜面やアイディアメモ、デザイン画など、濃密な展示内容です。

201701 111

展覧会のホームページはこちらから
デヴィッド・ボウイ大回顧展

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

ダニエル・ドンデのラグジュアリーアート「ストラディバリ ロック コレクション」

ギャラリーにずらりと並んでいるのは、きらきらと色とりどりのきらめきを纏った何体ものヴァイオリン。赤と白のストライプにバラの造形が施された「America」、銀箔が貼られた本体にブルー系の幾何学モチーフが楽しい「Tribute to Kandinsky」、ゴッホの星月夜やひまわりが描かれた「Tribute to Van Gogh」。どれもがイタリア、クレモナ出身のアーティストであるダニエル・ドンデのヴァイオリンアートです。ダニエル・ドンデのラグジュアリーアート「ストラディバリ ロック コレクション」と題した展覧会が、ノエビア銀座ギャラリーで開催されています。
<会期:2016年11月7日(月)~2017年1月6日(金)>

201601 959

どのヴァイオリンも、永遠の名器として名高い「ストラディバリウス」の造形が象られています。イタリアにある小さな町クレモナでは、400年も前からそこに住む職人たちの手で弦楽器がつくられてきました。中でも最も有名な職人がアントニオ・ストラディバリ(1644~1737)です。ストラディバリが製造したヴァイオリンは「ストラディバリウス」と呼ばれ、幻のヴァイオリンとして、かずかずのヴァイオリニストを魅了してきた名楽器です。ヴァイオリニスト千住真理子さんが所有するストラディバリウスは、かつてローマ法王クレメント14世に献上され、その後、フランスのデュランティ家に家宝として200年眠り続け、その後80年をスイスの富豪が所持していたものだといいます。

ヴァイオリンアートを制作したダニエル・ドンデは、このヴァイオリンの町、クレモナ出身のアーティスト。出身地で活躍したヴァイオリン職人アントニオ・ストラディバリをオマージュし、ヴァイオリンに金箔や銀箔、色とりどりのクリスタルなどの装飾を施し、独自のラグジュアリーアートとして完成させたのです。

繊細な装飾は、すべて手作業で作られているそうです。クレモナに工房を構え、スイスのルガーノにギャラリーを持つドンデの作品には、額装作品もあり、ジョルジオ・アルマーニ、フランク・シナトラ、パリス・ヒルトン、シルベスタ・スタローンなど、世界各国のセレブリティたちにコレクションされているのだとか。確かに、息をのむほど美しいきらめきを放っています。

夜間にギャラリーの前を通ると、クリスマスツリーが点灯されています。ギャラリー内も夜間照明に変わって、並木通りにクリスマスの彩りを添えています。外から見るのも美しい展覧会です。

201601 1009

展覧会のホームページはこちらから
ノエビア銀座ギャラリー

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

田沼武能・熊切圭介・齋藤康一写真展「時代の風貌」

教科書で見知っている志賀直哉、川端康成といった小説家や、ブームを巻き起こした小津安二郎、大島渚などの映画監督。さらに、映画「シン・ゴジラ」で首相官邸の壁に掛けられていた絵の作者でもある片岡球子。昭和の時代に文化を創りあげた人物たちの肖像とじっくり向かい合える写真展が、ノエビア銀座ギャラリーで開催されています。
<会期:2016年9月5日(月)~11月4日(金)>

201601 763

会場には、24枚の肖像写真が並んでいます。一番古い写真は、60年以上前に撮影されたもの。撮影したのは、日本のフォトジャーナリズムを牽引してきた3人の写真家です。文化人を60年以上撮り続ける田沼武能(1929~)、週刊誌を中心にグラビアページを40年担当した熊切圭介(1934~)、撮影した人物は2000人以上という齋藤康一(1935~)。肖像写真のプロたちが写した、存在感に満ちた風貌からは、表現者としての内面はもちろん、彼らが生きた時代の空気まで伝わってくるようです。

「小説の神様」と言われた志賀直哉(1956年撮影)は、東京・青山の自宅で、鳥かごに顔を寄せています。カナリアにひげをつつかせてご満悦の志賀先生。文豪のイメージとは異なる、微笑ましい姿を見ることができます。

国際的にも評価の高い小津安二郎監督(1960年撮影)は、北鎌倉の自宅の座敷に、自慢の日本画のコレクションを並べて、悦に入っていらっしゃる姿をパチリ。若い頃は絵描きになりたかったそうです。

童謡の「赤とんぼ」などを作曲した山田耕筰(1952年撮影)は、ダブルの背広でピアノにもたれ、ダンディなたたずまい。ベルリンの王立音楽院で学び、フランスの勲章も受章されています。

池田満寿夫、佐藤陽子の両氏(1989年撮影)は、並んでソファにこしかけ、3匹の犬と戯れています。幸福感に満ちた和やかなひとときです。

ひとつひとつのシーンがキャプションで解説されており、その場に立ち会っていたかのような気持ちで鑑賞できます。それぞれの人物の新しい魅力を発見してみてはいかがでしょうか。

展覧会のホームページはこちらから
ノエビア銀座ギャラリー

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

モードとインテリアの20世紀展

2016年は、ポーラ美術館、三菱一号館美術館、世田谷美術館で、ファッションをテーマとした展覧会が開催されましたが、また新しい切り口のファッション展が始まっています。今回、パナソニック汐留ミュージアムに展示されているのは、世界的なデザイナー森英恵を生んだ島根県石見地方にある、島根県立石見美術館が所蔵する国内屈指のモードコレクション。ファッションがめまぐるしく変化した20世紀に焦点をあて、その流れをインテリアとともに紹介しています。
<会期:2016年9月17日(土)~11月23日(水)>

201601 811

1900年代初頭、女性たちは、コルセットでウエストを絞った重厚なドレスを着用していました。そんな流れを変えたのは、ポール・ポワレ(1879~1944)のコルセットなしのドレス。ゆったりと布をまとうようなドレスは、女性たちの心も開放したかもしれません。その後、スパンコールや金糸を使った装飾的なドレスや、ドレープ使いがロマンティックなドレスなどが登場し、1960年代には、近未来的なミニドレスへ。

各時代のドレスは、それぞれの時代のインテリアのイラストを背景に展示されていますので、当時を思い描きやすくなっています。

201601 812

面白いのは、ドレスだけでなく、スポーツウエアも展示されていること。1910年頃の水着は、透けにくい濃い色の布地のワンピース。1940年代になって、エルメス社から今に近いスタイルの水着が発売されています。20世紀初頭の女性は、コルセットをしてテニスをしていたといいますが、1926年頃には、白いノースリーブのワンピースがテニスウエアに。1940年代のスキースーツは、ウールとナイロン混紡のハイネックのジャンプスーツ。

さらに、各時代のファッション誌などの関連資料も充実。1913年頃のファッションを描いたポショワール(版画)はうっとりする美しさです。ドレープをあしらったロングドレスの女性がソファにもたれたり、ダンスをしたり、ショッピングをしたり。ドレスが着用された場面とともに見ることができます。

201601 813

汐留ミュージアムがあるビルの階下は、パナソニックの住まいのショールーム。後世において、現代のインテリアの中には、どんなファションが展示されることになるのでしょうか。

こちらの記事もぜひ
Modern Beauty フランスの絵画と化粧道具、ファッションに見る美の近代

展覧会のホームページはこちらから
パナソニック汐留ミュージアム

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

ウルトラ植物博覧会2016 西畠清順と愉快な植物たち

キャプテン・クックの大航海の時代から、未知なる植物は人々の憧れ。新種の植物を追い求める「プラントハンター」が、命を懸けて世界中を探検し採集しました。今、日本で最も注目されているプラントハンターといえば、幕末より150年続く花と植木の卸問屋、花宇の五代目、西畠清順(1980~)でしょう。年間50万キロ以上に及ぶ距離を移動し、海外諸国と240トン以上の植物を取引しているといいます。

そんな西畠が集めたウルトラな植物たちをポーラミュージアムアネックスで見ることができます。
<会期:2016年8月4日(木)~9月25日(日)>

201601 780

こちらは、インドネシアに分布する「コウモリラン ウイリンキー」。
201601 777

4~5億年前に植物が川から陸上に上がってきたとき、巨大化に成功したという木性シダの仲間「ソフトツリーファーン」
201601 776

樹齢200年の「バオバブ」。
201601 775

日本でも見られる「ガジュマル」。
201601 771

ボリビア原産のサボテン「ライオン錦」。
201601 768

雲南省原産のバナナの類「地湧金蓮」。かつては、幻のバナナといわれていたとか。
201601 773

世界各国で信仰の対象にもなった樹木や、さまざまな造形の植物たち。まだまだ地球上には、見たこともない植物が命を育んでいるに違いありません。神秘的とも言える植物の造形に、自然の不思議と壮大さを感じることのできる展示です。

こちらの記事もぜひ
キャプテン・クック探検航海とバンクス花譜集

展覧会のホームページはこちらから
ポーラミュージアムアネックス

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

プロフィール

青い鳥

青い鳥
心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSS
リンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: