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至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

ドイツに生まれ、スイスに移住したエミール・ゲオルク・ビュールレ(1890~1956)。生涯をかけて収集した個人コレクションは奇跡のコレクションといわれ、あまりにも名品ぞろい。没後は1960年より個人美術館として公開されましたが、2008年にセザンヌ(1839~1906)の「赤いチョッキの少年」(1888-90)を含む4点が盗まれるという悲劇に。セキュリティの事情から閉館し、全コレクションが2020年に、チューリヒ美術館に移管されることになりました。このコレクションを日本で見ることのできる最後の機会である展覧会が、国立新美術館で開催されています。
<会期:2018年2月14日(水)~5月7日(月)>

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会場に展示されているのは、ビュールレの確かな目を示す作品ばかりです。「赤いチョッキの少年」のクールなキュートさにジッと見入り、モネ(1840~1926)とマネ(1832~1883)のふたつの庭に癒されるひととき。モネ「ジヴェルニーのモネの庭」(1895)は、色とりどりの花咲く小径で花をめでる赤い服の女性が描かれ、太鼓橋が架かる庭とは異なる美しさ。マネ「ベルヴュの庭の隅」(1880)には、別荘の花咲く庭に腰をおろす青い服の女性が描かれ、清々しさに満ちています。

ゴッホ(1853~1890)の作品も充実しており、厚く塗られた筆触の「花咲くマロニエの枝」(1890)、そして、浮世絵から影響を受けた構図の「日没を背に種まく人」(1888)の迫力に魅せられます。

ビュールレは第1次、第2次世界大戦を経験し、会社の主力は20ミリ機関砲だったとのこと。武器の実業家として成功した富を投じ、夢見るように美しいコレクションを形成。そして、そのコレクションが未来に生きる人々の心を癒し豊かにする。贖罪の輪廻にも思われる展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
国立新美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

ルドン 秘密の花園

三菱一号館美術館が所蔵するルドン(1840~1916)「グラン・ブーケ」(1901)は、ブルーの花瓶に色とりどりの花々があふれる、明るく壮麗なパステル画。高さは250㎝に及びます。もともとは、ドムシー男爵(1862~1946)の城館の大食堂の壁面を飾る装飾画のひとつとして描かれました。「グラン・ブーケ」を含むその装飾画16点が一堂に会する展覧会が、三菱一号館美術館で開催されています。
<会期:2018年2月8日(木)~5月20日(日)>

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幻想的な内面世界を描いた画家として知られるルドンは、初期には、木炭画や版画の白黒作品を多く手掛けています。

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「黒の時代」を経て、パステル、油彩などによる色彩豊かな作風に転じたルドン。今回は「秘密の花園」というタイトル通り、花や植物を描いた絵が集結しています。中でも圧巻は、冒頭に記したドムシー男爵城館の装飾画16点。

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特に「グラン・ブーケ」は、2011年に初公開されるまで110年間も、ブルゴーニュ地方の城館に当時のまま秘蔵されていたとか。ドムシー城の薄暗い重厚な空間で「グラン・ブーケ」を見た三菱一号館美術館の高橋館長は、「この空間を再現した展覧会を開く」ことを決意されたといいます。

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現在はオルセー美術館が所蔵する他15点も樹木や花がテーマ。ルドンの自然への愛情を静かに感じてみてはいかがでしょうか。

 ※写真は、主催者の許可を得て撮影しています。

展覧会のホームページはこちらから
三菱一号館美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび

明治、大正、昭和を生きた画家、熊谷守一(1880~1977)。関東大震災、日中戦争、太平洋戦争、東京オリンピック、大阪万国博覧会…激動の時代を生きながら、一貫して「絵を描く」ことを突き詰めた生涯でした。守一の70年以上に及ぶ画業を約200点の作品で振り返る展覧会が、東京国立近代美術館で開催されています。
<会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水)>

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熊谷守一というと、シンプルな線と色面で、身近な植物や昆虫、動物を描いた晩年の作品を思い浮かべます。守一の終の棲家となった豊島区の家。1932年、52歳のときに移り住んだその家の庭には、自ら掘った池もあり、緑が生い茂っていたといいます。庭に座り込み、虫や花を科学者のように観察して生まれた作品は、独自の視点に満ちています。「蟻は左の2番目の足から歩き出す」ことを発見したほど、「見る」ことに徹したのです。おおらかでユーモラスな印象だけではくくれない魅力があります。

展覧会は、年代順に構成されており、あまり見る機会のない、初期の作品も見ることができます。1904年に東京美術学校西洋画科を主席で卒業した卒業制作「自画像」や、本当に蝋燭(ローソク)を灯した光で人物を描いたという「蝋燭」(1909)。茶色く落ちた色調の写実的な作風は、同一人物の作品とは思えないほど。

結婚後、貧困生活の中で子供を相次いで亡くし、次男の陽が4歳で死んだ姿を描いた「陽の死んだ日」(1928)。悲しみの厚さほど、絵の具を荒々しく塗り重ねた激しい表現を見ると、晩年の作風は、守一がさまざまな困難を生き抜いた結果、たどり着いた表現だと気づかされます。ひたむきな生き方をも追体験できる展覧会です。

こちらの記事もぜひ
熊谷守一美術館29周年展

展覧会のホームページはこちらから
東京国立近代美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

北斎とジャポニスム

19世紀後半、日本の工芸品等の文物がヨーロッパに大量に輸出され、人気を博しました。インテリアとして飾られただけでなく、西洋の芸術家に刺激を与え、新たな表現を生みだすきっかけとなったといいます。モネの「ラ・ジャポネーズ」(1876)には、うちわが飾られた壁の前に着物をまとった妻カミーユが描かれていますが、そのままのかたちで絵画に描かれただけでなく、人物のポーズや絵画の構図にも影響を与えています。

中でも最も注目されたのが、浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849)。国立西洋美術館では「北斎とジャポニスム」と題し、モネ、ドガ、ゴーガンなどの絵画と、北斎の錦絵、版本を比較しながら鑑賞できる展覧会が開催されています。
<会期:2017年10月21日(土)~2018年1月28日(日)>

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いわく、当時日本から輸入された有田焼の緩衝材に無造作に使用されていたのが、北斎漫画であったとか。人々は有田焼ではなく、北斎漫画の方を称賛したそう。以降、絵画から版画、彫刻、ポスターなどかずかずの分野に影響を与えていきます。

北斎漫画の腰に手をあてて休憩する力士のポーズは、ドガの描く踊り子のポーズに。大きな袋をクッションがわりに寝そべる布袋は、メアリー・カサットが描く、肘掛け椅子にふんぞり返る少女のポーズに。きどった美しいポーズではなく、北斎の描くくつろいだユーモラスなポーズが新鮮だったのでしょうか。

北斎の代名詞ともいえる富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の波の造形も斬新だったのでしょう。絵画だけでなく、カミーユ・クローデルの彫刻「波」や、立体的な陶器のモチーフにもなっています。

西洋では花は花瓶にいけたかたちで描かれていたそうですが、北斎は、地に根を張った自然のままの姿を描きました。画面一面に描かれたゴッホのばらや、モネのアイリスにその影響がみられます。

他にも、北斎の幽霊画にインスピレーションを得たルドンや、ヘラクレスの背景に描いた崖の表現を北斎から引用したモローなど、1点1点が北斎と並べて展示されているため、とてもわかりやすく比較できます。ジャポニスムを読み解くのに最適な展覧会です。

展覧会のホームページはこちらから
国立西洋美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

ピカソとシャガール 愛と平和の賛歌

スペイン出身のピカソ(1881~1973)と、白ロシア(現ベラルーシ共和国)出身のシャガール(1887~1985)は、どちらもパリを拠点に活躍したエコール・ド・パリの画家。ポーラ美術館開館15周年を記念して、二人の作品約80点を並べて展示するというユニークな展覧会が開催されています。
<会期:2017年3月18日(土)~9月24日(日)>

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シャガールといえば、空に浮かぶ恋人たちのモチーフが思い浮かびます。妻ベラへの愛が感じられますが、もうひとつ忘れてはならないのが、故郷ヴィテブスクへの愛。イズバと呼ばれる丸太小屋や、人と動物がともに生きる風景。ヴィテブスクの空の上を、恋人たちが飛び、上下に切断された男性の頭部も浮かびます。ナチスにより破壊された悲しみの情景としても描かれました。

ピカソも愛する家族を描いていますが、ひし形や山形の面を集めたプリズムのような表現や、複数の視点からとらえた人物像とし、技法をこらしています。ふたりの作品を見比べられる面白さが本展の醍醐味です。

また、ユダヤ人であったため、ナチスを逃れてアメリカに亡命したシャガールと、戦争という不条理に抵抗するため、パリに住み続けたピカソ。ふたりの平和への願いが込められた巨大なタペストリーも見逃せません。ピカソとシャガールが信頼を寄せたタペストリー作家の手によるものです。

シャガールの「平和」は、ニューヨーク国連本部の記念講堂に設置されたステンドグラスの下絵に基づいて制作され、ブルーの背景いっぱいに、動物たちと人間が描かれています。ピカソの「ミノタウロマキア」は、牛頭人身の怪物ミノタウロスが人々を襲う場面が描かれ、その恐怖が第二次世界大戦への不安と重なります。

ともに長寿で多作。ふたりの巨匠と対峙する贅沢な空間が広がっています。

展覧会のホームページはこちらから
ポーラ美術館

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

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心が豊かになるアートを見つけに飛び立つ青い鳥です。

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